木地山ダム 見学 その2


ゲート部分から見下ろすとこんな感じです。
ほんとに川幅狭い所に作ってますね。


副ダムにスリットが入っているような形状です。
ここより下流にはコンクリートの床固などは見えないので
とてもコンパクトにまとめられた設備と言えると思います。


天端からダム湖を見たところ。
お水たくさんありますね。
左岸上流に三角屋根のかわいい建物があります。
木地山ダムの管理所です。


左岸から見た天端の様子。
上流はパラペット、下流は横桟型で窓付きの高欄です。
この組み合わせ、地味に多いような気がします。


右岸に取水設備が見えていました。
木地山ダムは山形県営の発電用ダムです。


ダムカードをもらうために管理所にやってきました。

「遠いところからわざわざお疲れ様です。これもどうぞ」

管理所の方はもう一枚、ダムカードをくださいました。

それは
長井ダムに水没してしまった菅野ダムのダムカードでした。

受け取った瞬間にぶわっと涙が出てきて言葉に詰まってしまいました。


管理所のダム湖側の道路沿いにこのような立派な大きな石碑が立っています。
「野川ダム建設記念碑」と書かれています。

木地山ダムと下流にあった菅野ダムは「野川水系のダム」して統合管理されていました。
二基で治水と利水を担ってきました。

菅野ダムは山形県が初めて建設した多目的ダムです。


菅野ダムのコンクリートの一部は長井ダムのダム湖を横断する橋のたもとに
モニュメントとして設置されていました。
横には菅野ダムの説明板がありました。
ずっと二人で
ずっと長い間二人でやってきたけど
ごめん
先にリタイアすることになった
でも仕事は心配しなくてもいい
できる新人にちゃんと引き継いだから
だから
あとはよろしく


木地山ダムと長く一緒に仕事をしてきた菅野ダム
その姿は水の中に
もう見ることはかないません。

でも菅野ダムは長井ダムへの土砂の流入を防ぐ仕事を湖底で続けることになりました。

だから引退じゃないんですよ
まだ仕事し続けているんですよ
だから悲しくないですよ

涙がぽろぽろ出てくる私を慰めてくれるかのように
木地山ダムはやさしい顔を見せてくれていました。

姿は見えなくても
二基は今も一緒

そんな空気が伝わってくるような
穏やかな顔をした中空重力式・木地山ダムでした。