川口ダム 見学 その1

2008/2/9 更新

すっかり寒くなった2008年1月。
雪のない場所にダムを見に行こうと地図を見ていて
チェックを入れたのが川口ダムでした。

徳島県の那賀川にあります。
上流には徳島県のダムで最近国土交通省に移管された長安口ダム
四国電力の小見野々ダムが控えています。

積雪状況を調べて出発しました。

淡路島を渡って四国に入り鳴門市から国道を南下します。
鳴門大橋で風速13mという凄い風で気温も低く快適とは言い難い日でした。

通勤車両が増える前にと那賀川沿いを走るR195を目指します。



R195に入ってまだ陽が差す前に到着しました。
川口ダムです。

国道の横に丁度、車を停められるくらいのスペースがあったので
そこに車を入れて三脚を出していると隣に軽トラックが停まりました。
中から降りてこられた、おば様は私が頭を下げるとにっこり笑顔を返してくださいました。

「おはようございます」
「おはようございます」
「ここ、ちょっと車、停めていてもいいですか」
「良いんじゃないですかねぇ。まだ朝早いし」
「ありがとうございます〜」
「ダムを見に来られたんですか?」
「はい♪このダムの写真を見てダムの真ん中に発電所があるっていうのが凄く珍しくて」
「放流の時はすごいですよ。あの真ん中の山のところが見えなくなるくらい水しぶきが上がります」
「えーっ!中州のあの山ですか。そ、それは凄いですねっ」
「ダムが好きだったらこの後は長安の方にも行かれるんですか?」
「はい♪そうなんです。この後、長安口ダムと小見野々ダムを見に行くんです」
「あら〜。小見野の方にも行くんですか。道は凍って無いと思うけど気をつけてね」

と、突然、おば様は私に当日の徳島新聞の朝刊を一部くださいました。

「どうぞ」
「え?これ、いいんですか?」
「私、新聞配達やってるからね。今帰って来た所です。」
「ありがとうございます〜」

何故か朝一番にダムにやってきて
地元の方に地元新聞の朝刊をただで貰うという
摩訶不思議な経験をしてしまいました。

新聞を貰ったことより印象的だったのは地元の方が
長安口ダムの事を“ながやす”
小見野々ダムの事を“こみの”
と、呼ばれた事でした。
ダムのある地名がそうなのかなと思いました。

そしてダムが好きと言ったらすぐに上流のダムの名前が出てくるあたりが嬉しかったです。


三脚を据えて撮影開始。
なんで三脚が出てきたかというと実は到着したのはam6:30。
まだ山間部では薄暗かったのです。
天端のダムの照明もまだ付いているような時間でした。

川口ダムの一番の特徴、堤体の真中に居座る発電所。
他の場所でもこんな変わったデザインは見たことがありません。


国道の高さから天端を見下ろします。
でっかいローラーゲートですねぇ。
でんぱつのダムのような貫禄があります。


堤体をちょっと行きすぎたところから来た方を振り返ってみるとこんな感じです。
この時は工事中でしたが天端は車両も通行できるようになっています。
私は慌ててここに駐車せずに管理所の向こう側に停めてしまいましたが
車はこちらに停めた方がよいみたいです。


堤体上流面です。
お水たっぷりが嬉しいです。
昨年の初夏の頃には全国ニュースで何度も流れた那賀川水系の渇水。
このダムでも深刻な事態になっていたのかと思い返します。