番外編 大滝取水堰堤 暗渠 その2


どんどん近付いてきました。

見上げると横の民家との境界がどうもはっきりしません。
これはどこまでが民家の土地でどこまでが水路管理者の管理地なんでしょう。


そして水門のポータルの横に階段があるのを発見!!

一体ここは何?


フェンスにある注意書きを見るとこれはどうやら
関西電力さんの管理物件だということがわかりました。


関西電力さんの水路という事はわかりましたが
どうもこの水路の方向から考えるとこの水門を境に暗渠になっているようです。

上の方を見ていると・・・

なんやてー!!

こ、これが、大滝えん堤って

堰堤なのかっ

暗渠のポータルだろっ

堰堤を名乗っていいのかっ

関西電力の樫尾発電所はここから約4km離れた所にある発電所です。


こちらにはこの文字。
うん。そうだねっ。
これは開渠だねっ。
しかしこの水門が堰堤なのかは凄く疑問っ。

というのは

大滝堰堤って

確か大滝ダムの下流側にあるやつでしょ??


私が知っている大滝堰堤ってこれなんです。

大滝ダムの副ダムのさらに下にある古風な取水堰堤。


改修はされていると思いますが
あちこちがレトロ感溢れるデザイン。


大滝堰堤で取水した水がずーーーーーっと暗渠、開渠を経てこの水門まで到達しています。

ここまで来たら水門の上が一体どうなっているのか知りたくてたまらなくなりましたので
きょろきょろしながら水門の横にあった階段をあがっていきました。

階段を上がったところはごく普通の民家の庭と私道のような雰囲気。

そこにお住まいの方が丁度、出ておられました。

「あ、こんにちわっ。突然すいませんっ」
「どうしたんです?こんなとこに」

迷い込んだと思われたみたいです。
とてもにこやかなおじい様だったのでつい聞いてしまいました。

「すいません。わたし、ダムとか堰堤が好きなんで
向こうから水門が見えたんでこの下を通ってきたらここに出てきたんです」

「へー。堰堤が好きなんですかー」
「すいません。こ、ここ、ご自宅のお庭ですよね」
「いや、堰堤は(フェンスで)仕切っとるでしょ。そこから先が関電さんのです」
「えーと、という事は、この下を・・・」
「そうそう。家の下をトンネルで水が通っとるのよ」
「なんと!!」
「この山の向こうの西河まで行ってそこからまたトンネルで樫尾の発電所まで流れとるの」


水門の上はこのようになっていまして
民家との境界にはちゃんとフェンスや柵がありました。

でも、植木鉢とかもあるよ?

「これっていつごろ作られたものなんでしょう?」
「大正時代の物やて聞いてます。わし、まだ出来とらんかった頃ですわ」

爆笑。

「今は樫尾の方でここを操作しとるけど昔はそこに関電の人が詰めとって開閉してましたわ」


と、水門の横の小さな建物を示されたので近づくと・・・


『 関西電力株式会社 樫尾発電所 大滝えん堤制水門見張所 』

大滝堰堤制水門。
どうやら正式名称はこれですね。

「水門の向こうで広くなっとるところがあったでしょ」
「はい。広い水路だなぁって思って見てました」
「あそこは沈砂池なんです」
「え!沈砂池なんですか」
「大雨の時は泥とか入ってこんようにここを閉めることになってますわ」

まるで関電の方がいらっしゃるかのように詳しい説明を受けることができました。

写真を撮らせてもらった後、御挨拶してお別れしました。
とても親切な方に説明までいただけて全てがサプライズの一時でした。


一番、面白いなと思えたのが植木鉢と仲良く並ぶこの木製電柱。

なんとも不思議な風景です。

不思議な不思議な関西電力 大滝えん堤 制水門でした。