金山ダム 見学 その1

2016/12/11 更新


平成28年8月末台風10号(T1610)がやってきました。
8月中旬から立て続けに台風が襲来した北海道には十勝地方を中心に甚大な被害が出ました。


これは8月31日朝のNHKニュースで流れた映像の写真です。
南富良野町東部付近で時間雨量90mmという恐ろしい数字が出ていました。

北海道の地形特性から20mm/hでも“大変な雨が降る!!”という扱いになるのに
短時間降雨ならともかく台風性降雨で90mm/hとかもう大災害。


こちらは国土交通省の発表資料です。
T1610で大変な降雨があったポイントの一部が矢印で示されています。
一番真っ赤なポイントは糠平ですが。


ここに南富良野町幾寅の文字があります。


こちらは水門水質データベースでみた幾寅地点の河川水位のグラフになります。
   ※注 まだ暫定値です。
でも暫定値という以前にデータが切れているし
8/31からはデータがありません。
水位観測局舎自体が豪雨で流失したのだと理解して、ぞっとしました。


国土交通省の発表資料に幾寅地点の水位観測局舎の位置が示されていました。


南富良野町中心街から少し東の大勝橋の左岸近くに設置されていたようです。


南富良野町中心街から北の空知川で堤防が切れました。
甚大な浸水被害が出たのです。


NHKニュースでもこの場所の様子が流れていました。
これは8/31の夕方のニュースで流れた映像です。

インターネットではこの被害状況に
災害の規模に大きさに、住民の方の心配をすると同時に
ポテトチップスがー!!!という-悲鳴が上がっていて
そんなにこのエリアはポテトチップスに重要な拠点なのかと
事情を知らない自分は疑問符を飛ばしていたのですが
現地に行って理由が分かりました。

道の駅みなみふらのに提示してあった地図です。
ここにシレラ富良野という建物が記載されています。

現地入りした時の写真です。
道道465号線からR38の交差点に入るところです。
周辺はあっちこっち洗掘されてずたずたですが
9月の連休前にと本当に清掃を頑張られたのだなということが
痛いほど伝わってくる風景でした。

道の駅の横に立つシレラ富良野です。
ここはJAのポテトチップス加工工場でした。
ポテトチップスはメーカーが自社工場生産ではなく
地元のJAが工場を作って生産されていることを初めて知りました。
それでポテトチップスがーっ!!という悲鳴があがっていたのかと納得しました。
純粋にジャガイモ畑が被害受けたからだと思っていたので。
生産工程にも被害があったことを皆様心配しておられたんですね。


空知川上流に向けて移動しているとブルーシートと
撤去した流木が川岸に山と積み上げられているのが目に入りました。


粒子の細かい泥が押し寄せて無残な姿になってしまった農地
復旧作業を頑張る重機
並んだトンパック(大型土嚢)

20mm/hの降雨でも大変な警戒が必要な北の大地に台風性降雨がやってくること。
こんな恐ろしいことはありません。

一昨年の支笏豪雨は局地豪雨でしたが70mm/hもの雨を記録しています。

石狩川は過去に豪雨災害をいくつも経験しています。
しかしダムが整備され下流の被害は激減しました。

でも上流部は堤防で守るしかなく
自然の猛威の前に人の暮らしがこんなに無残につぶされていくのかと
見ていて気持ちが沈んでしまいます。