神通川の砂防施設 見学 その4


山から真っ直ぐに続く階段工。
その両岸には桜がたくさん植えられています。
春に来たらどんなに美しいだろうかと思いながら
今はコンクリートの迫力しか見ていません。


これは床止め・床固め工といわれるものの一つで階段工というものなのだそうです。

調べたところ
「砂防堰堤を築堤できない扇状地上の河川や渓流に
高さの低い落差工を河床勾配にあわせて階段状に多数設置したもの」
を階段工と呼ぶそうです。
大量の土砂が発生する重荒廃山地の下流の急勾配渓流に用いられるものだとか。


しかしこの一直線に山に続く巨大な階段は遺跡にしか見えません。


説明板の類がないものかと探して見つかったのがこれです。
これは岐阜県の施工した物だったのです。
なので直轄事業のたから流路工には説明板がなかったのです。

この説明板に昭和54年災害という文字がありました。

昭和54年災害については神通川水系砂防事務所
流域の災害のページで洞谷災害の項をご覧ください。

山のてっぺんから凄まじい土砂がこの谷を流れ下り
川沿いの市街を襲いました。


ここは災害の跡地

しかしその足元から山に続くコンクリートの段は
荒天の下に見れば別の顔だと解っていても
ただ、美しいという言葉しか出てきませんでした。

それはこの洞谷階段工が災害の後、この山の崩れを防ぎ
この地を守ってきた事で美しい風景を守っている事と
コンクリートは黒ずんで落ち着き景色に溶け込もうとするように
その顔を変えてきたからなのかもしれません。

神通川の上流
奥飛騨温泉郷に散在する砂防施設群

それは最新型から長く山を治めてきたものまで
様々な堰堤に近づけるとても素晴らしい見学のできるエリアでした。