胆沢ダム 見学 その4


管理所から出て洪水吐の横に出てきました。

ダム湖の名前は奥州湖。

うん。
胆沢ダムの貯水池にホントにぴったりの名前。
かっこいい。


非常用洪水吐に当たる長い長い越流部。
奥に見えているのが常用洪水吐。
扉体は見えていませんがローラーゲート2門装備。
常用洪水吐はオリフィスゲートで越流高がふたつで異なります。

胆沢ダムの天端に行くか
上流の石渕広場に行くか
どちらに行きたいですか?
と、質問されたので
お任せしますと答えました。


石渕広場に移動してきました。

パッと目に入ったのはゲートでした。


常用洪水吐ローラーゲートのカットしたブロックと
非常用洪水吐のラジアルゲートを半分にカットした物です。

ローラーゲートのブロックは写真で手前側が扉体の上方、奥が扉体の下方です。
扉体についているローラーの向きでも横に寝かせてあるのはわかると思います。


説明板にはゲートのどの部分をカットしたのか分かりやすく書いてくれていました。

CFRDの堤体だけでなく
備え付けられたゲートや圧力計、機械類
石淵ダムに備え付けられていたそれら全ては
貴重な日本のダムの歴史を教えてくれる史料なのです。

こうして残してくださっている事がとても嬉しいです。


貯水池には天端と同じ高さで除却された取水塔の基部が丸く見えていました。
天端標高はEL323.0mでした。

天端高欄の痕跡

全体を覆う細かいシルト

上流側のコンクリート遮水壁

下流側のリップラップ

貯水池から顔を出して
石淵ダムは何を思っているのかと
じーっと見つめて考えていました。

あ、明るいね

という事はまた水位が低くなったという事だね

僕の仕事を後輩に譲ってからもう顔を出すの二回目じゃないかな

また雨が少ないんだね

ほんとにしっかり者の後輩が引き継いでくれてよかった

流域の人と同じように僕も安心できるよ


胆沢ダム、ありがとう

その言葉は胆沢扇状地に暮らす人だけではなく
永い間、頑張って頑張って
力のすべてを出し切って仕事をしてきたけど
それでも力が及ばなかった時に
流域の人と同じように悲しみ苦しみ
気持ちを同じにしてきた石淵ダムが
胆沢ダムに贈る言葉として
一番ぴったりだと思います。

北上川5ダムの新しいメンバー、頼もしい胆沢ダムです。

石淵ダムの思いを受け止めてとても凛々しい顔をしていました。