入鹿池 見学 その4


傍に行くととても立派なスルースバルブであることが分かりました。
本体に刻印があります。

刻印…

・・・!!

栗本鉄工所様のマークだっ!!

1960年製なのか
凄いっ
凄い鋳造品だぁぁっ♪


説明板を読みます。
詳しい図面入り。

この展示物は、愛知用水事業の一環として昭和三十六年四月に設置し
農業用水を取り入れる為に使用していた取水塔のスルースバルブと
取水管であります。
このたび、入鹿池の水を高度利用するため平成十三年三月新取水塔が完成
したことにより従来の取水塔の取り壊しを行ったので構造物の一部を展示
することにしました。

スルースバルブ 径八00ミリメートル 重量3トン
取水管      径八00ミリメートル 重量1.7トン


1960年生ということもありますが
全然痛んでいる所もなくてとても綺麗に作られた時のままに
形が見られるので素晴らしいなとしばらく周囲をくるくる回っていました。


右岸に到着しました。
右岸には新しい取水塔。
そして…


余水吐が設けられているのです。
その余水吐はゲートレスではなくて…


なんとドラムゲートなのです。
日本にいくつ現役で動いているドラムゲートがあるのか知らないのですが
自分が把握しているのは沖縄の福地ダムとでんぱつ様の御母衣ダムくらい。


スポイラーもきっちり付けられていてのこぎり状です。
しかし黄色とはまたよく目立つ色を選んだのだなぁと。


ふと傾いた機器を見つけてなんなのかと
よく見ると水位計の残骸でした。


この井戸状の石造りの構造物からは導水管が出て山の上に伸びています。
現場の操作盤には揚水ポンプ、防災ポンプの文字がありました。
必要時にどこか別のところへ池の水を送り出すために設置されたもののようです。


余水吐水路はカーブして堤体の下流に続いていますが
ここからは全景は見えませんでした。

愛知県で一番有名なアースダム

災害の記憶を伝える言葉として残った入鹿切れ

改修されて強くなった堤体はおおよそダムらしいダムではなく
湖畔に並ぶお店がそのまま堤頂に乗っているような不思議な風景で
見学中にも釣りをする人が次々と訪れていました。

歴史ある土堰堤、入鹿池は
花がいっぱいの
人がいっぱいの
とても愛されている人気者のダムでした。