稲村ダム 見学 その3


下流側から見ると余盛りがよくわかりますね。

しかしこのロック材は実に独特です。
四国の中央構造線に近い場所で採れる石というと
ついつい頭に浮かぶのは緑色片岩なのですがこの色から考えると違うようです。
しかも丸っこくなくて薄いように見えます。

御母衣や九頭竜のような巨石ではなく
南相木のような純白の石灰石でもなく
上大須のようなサイズをそろえた岩で限りなく平面に近い成形リップラップともちがうのです。


大小の岩が複雑にびっしりと敷き詰められたリップラップ。

じーっと見つめていると吸い込まれそうな感覚に陥ります。
何とも独特なリップラップです。
しかも白い。


洪水吐水路の先は木が茂って目視できませんでしたが
堤体直下には何やら綺麗な広場があるようです。
入口がわかりませんが。
あの場所から見上げたらこのリップラップはどんな美しい事でしょう♪


揚水発電で水位は頻繁に上下している事を
色変わりした部分が教えてくれます。
洪水吐の横の大きな段の上までは水がこないように運用されているみたいです。
通常運用での最高水位まで水が来たらここは特別変わった顔を見せてくれるように思います。
狙い目は早朝ですね♪


四国電力でひとつだけのロックフィル、稲村ダム。

長年頑張ってきたベテランなのに、その顔は吃驚するほど若々しく美しく
「年齢不詳の美中年」というイメージがついてしまいました。

四国の深い山々の中でもかなり奥地にあるために辿り着くのは大変ですし
フェンスやゲートで堤体にすりすりと近づくということはできませんが
会いに行く価値は絶対にある素敵なロックフィルダムでした。

 

おまけ

沖縄に行く時には飛行機の窓から覗いて
きっとあれが稲村ダムだと眺めていました。


よくよく見ると大橋ダムも左上にちらりと見えていますね。

空から見ていた場所に自分が立っていると考えながら
空を見上げるとなんともふわふわとした楽しい気持ちになりました♪