井川ダム ダムカード 取得道中記 その1

2010/3/9 更新

2010年2月末
ダムマニアの宮島様のBBSに
Dam Masterのあべべぇー様がとある情報を書き込まれました。

中部電力の井川ダムでダムカード
2010年3月2日 井川展示館にて配布開始

大井川の神殿 井川五郎ダムでダムカード!

あの井川でダムカードがついに配布される!

ダムカードを集めるようになってから
もしこのダムでダムカードが配布されることになったら
絶対にどんなことをしても貰いに行く!

そう心に決めていたのは
北陸電力の 王者 有峰ダム
中部電力の 大井川の神殿 井川ダム
電源開発の キング 佐久間ダム

でした。

配布開始当日は仕事でした。
翌日3月3日がお休みだったのでこの日に行くと決めて準備をしていたところ
突然天から有給休暇が降ってきたのです。

と言う事で3月2日、必ず一番乗りでダムカードを取りに行く
と、家族に宣言した時、家族がいいました。

「大井川に行くんやったらSL乗る?」
「乗らへん」
「なんでや。大井川っちゅうたらSLやろ?」
「大井川っちゅうたら中空重力式や」
「わけわからんこと言うな〜」
「わけわからんのはどっちや。大井川っちゅうたら中電様のダムやがな」
「いくー。いくー。SL乗りたい」
「ええよ。有給とれたら乗せてったる。ただし!わしは井川に行くからな」

等と、適当な事を言っておりましたら
有給がとれたという連絡が入り二人で行くことになりました。
一人なら車で寝袋でOKなのですが家族が一緒に行くという事になるとそうはいきません。
前日に宿を手配して仕事が終わったらまず仮眠というドタバタでした。


3月2日、夜中に奈良を出発し、陽が昇る前に静岡に到着しました。
家族が乗りたがっているSLには新金谷駅というところから乗ることにしていました。
朝一番にまずSLの乗車券を買っておかなくてはなりません。

「井川ダムのダムカード配布は9:00からかな・・・」
「SLは新金谷を11:58分発で千頭で井川線に乗り換えて・・・井川駅に到着するのは15:39分」
「なに?井川到着が15:39分?」
「・・・時刻表ではそうなってると思うけど・・・」
「ちょっと待て。昨日聞いた話と違う」
「なんかシーズンによって時刻表がかなり変わるみたいやけど・・・」
「井川発の最終列車は?」
「16:00」
「無理っ!めっちゃ厳しい!」
「なにが」
「井川展示館は16:00閉館やけど駅から走ってあの歩道橋登ってカード貰って下って走って帰って来てぎりぎりや!」
「いくら足が短いからって…いけるやろ」
「もしあかんかったら山中で路頭に迷うんやで!お宿は長島ダムより下やねんから徒歩20kmくらいあるで!」

時間に余裕がないとパニックに陥りやすい自分は物凄く時間に余裕を持って出かけるタイプです。
なのでこのスケジュールを聞いた瞬間にかなりのパニックに陥りました。
落ち着いて考えれば十分大丈夫な時間なのですが。

もしダムカードをもらえなかったりお宿に辿り着けないことになったら・・・と
頭の中に不安の種が生まれた瞬間自分がとった行動は

「井川に先に行く!」

6:30に新金谷駅でSLの乗車券を買い、井川に向けて飛び出しました。


と言う事でタイムアタックしたところ井川ダムに8:05到着。

1時間35分でつくとは予想外でした。
今まで来る度に工事やらなんやらすんなりたどり着けることが少なかったために
井川は物凄く遠いという印象がついていたのですが。

車を停めてすぐに管理所へ。

出勤して来られた中部電力の方にお伺いしたところ
管理所にはダムカードは置いていない。
全て井川展示館で配布という事になっていて
管理所で貰う事は不可能とお聞きしました。

ダムカードはカードの様式にも厳しいルールが設けられていますが
配布環境にも厳しいルールがあるのです。

有人管理所、展示館、資料館などで、訪れた方に対応して渡せる事が必要です。
このため、電力系のダムでは無人化されているところが多いこともあり
配布困難なダムが多くなってしまうのです。
その点、井川はダムの為の展示館を持っており
電車でのアクセスも車でのアクセスも可能
展示館には専任の管理人が詰めていて完璧に配布環境を整えているのです。

管理所で貰えないことを確認した後、展示館が開く9:00にカードを貰って引き返して
新金谷駅に間に合うかと心配していましたが家族は片道のタイムから考えて
余裕だから心配するなとパニックになりやすい私に安心感を与えてくれました。


と言う事で心を落ち着けようと展示館開館時間まで堤体を愛でに回ります。
今日は中々水位が高いですね。


天端にとことこ歩いて行きます。
そういえばいつも堤体の苔やゲートを愛でていてスルーしていましたが
天端高欄が上流側と下流側で違っています。

下流側の天端高欄はとても薄く、鉄格子が入っています。


朝一番のダム湖。
とても綺麗で焦っていた気持ちがぽわんとのどかに変わってきました。


天端高欄にこんな古い中部電力のマークが刻まれた鉄板があるとか
今まで4回も来ているのに気づきませんでした。
心にゆとりがなかったんでしょうね。
と言っている当日も心にそんなにゆとりがあったかと言うとそうではないわけですが。

と、堤体をうろちょろしていると
カメラ片手に堤体を撮りまくっている方を発見しました。

お仲間だな・・・

行動でお互いにお仲間と言うのが伝わるダムマニア。

展示館に繋がる歩道橋の下で御挨拶。
私とほぼ同じ時間に井川ダムに到着したのは
井川ダムダムカードの為に愛知県からお越しになったダム愛好家の3A様

開館時間まで盛り上がるダム話。
ハイドログラフで泣いてくれ♪
本日、3A様は畑薙第一と畑薙第二にも向かわれるという事でしたので
ビューポイントなど情報交換。


展示館の館長様がお越しになり歩道橋のチェーンが外されまして
3A様とうはうは展示館へゴー。


展示館の入口には中部電力のユニフォームを着た方が。

「おはようございまーすっ!」
「ダムカード頂きに参上しましたぁっ」

物凄いハイテンションで展示館に突入。


3A様がダムカードを貰っている間に私は記帳。
ホントはゆっくり中部電力の方とお話をしたかったんですが
舞い上がっちゃっている物で何をお話ししたかも記憶があいまいなまま展示館を後にしました。

中空重力式についての質問はまた今度お邪魔した時にお願いすることにして
新金谷駅に向かいました。