ICOLD2012 kyoto その5
6月6日は別の用事があったために金沢に行っていました。
萩原様のプレゼンテーションを生で見られなかったのは残念です。
そして続いて6月7日、8日、PRスタッフとして会場入りしていた時の様子です。
6月7日はKIYOTAKA様が、6月8日はKao3541様が再び会場入りしてくださいました。

ダムとは別に京都の伝統文化と日本の技術の紹介もプレゼンテーションされます。
ロボットも登場。
可愛くメイクしてもらった子が一生懸命踊りましたよ。

お隣の国土交通省近畿地方整備局さんのブースでは昨年の台風12号での被害と
天然ダムの対策についてをメインで展示していたのですが
物凄く熱心に聞いておられる方がいらしたのでその方が離れた後に
天然ダムのことについてお話しされていたのかと聞きに行きました。
「今の方、すごく熱心でしたね〜」
「チェコの大学の先生だそうです」
「ほほー。天然ダムについてのお話でしたか?」
「いや・・それが、網場の事でして」
「網場!?なんで?」
「テクニカルツアーで天ケ瀬ダムに行ったそうなんです」
「あ、はいはい」
「で、天ケ瀬ダムで見た網場がすごくいいんでそのメーカーさんを教えてくれって」
「え゛・・・」
「普通の網場だと思うんですけど・・」
「そーですよねー。特段変わりない普通の網場だと思いますけどどこが気に入ったんでしょうね」
「で、ゼニヤさんのだと思うんでそこのブースをお知らせしたら違うんだって仰って
今、天ケ瀬に聞いているんですよ」
「わーかーらーんー」
これがチェコスロバキアの大学の先生から熱烈なラブコールを受けた天ケ瀬ダムの網場。
いや・・・どこから見ても日本の標準的な普通の網場ですが。
謎だ。
そしてダム協会のブースですが
入口入ってすぐのJCOLDさんのブースの裏で
他のブースのような真面目一本やりの展示と違って
PV流れるわ
写真だらけだわ
一体なんのブースなのか正体不明(実際にそう聞かれた)だわ
不思議さが人目をひくのか大盛況です。
お客さんの動きには波があって
本会議場の会議のインターバルでお客さんがお越しになって増えるというパターンでした。
お越しになるお客さん
各国を代表するダム工学の先生、技術者、メーカー、電力会社の方と様々なんですが
ぱっとネームプレートを兼ねているパスを見てもどのくらい偉い人なのか瞬時に分からない。
その後、通訳の方にお聞きすると
「今の方、事務局長さんですよ」
「今の方、アメリカ大ダム会議の会長さんですよ」
とか・・・。
ひー!!
記念写真を・・って凄いお気楽に応じたけど
さっきの方、グランドディクサーンス作ったエンジニアの方??
今の方はフーバーダム造った人??
という凄い方々にダムマニアをPRしていたことに常に後で気づく。
◆ ◆
やや慣れてくるとこちらからも質問。
「あなたの国にダムファンはいますか?」
すると約半分の確率で帰ってくる言葉は
「私がダムファンだよ!○○年ダムの仕事をしているんだよ」
というもの。
エンジニアの方々が多いのでこれはこれでとても嬉しい。
しかし
「ダムと関係のない一般の方のダムファンはいますか?」
と、重ねて聞くと私が聞いた限りでは皆無でした。
そして帰ってくる質問は
「この人(ダムファン)たちは建設会社か電力会社の人たちなのか?」
というもの。
それに対してダムと関係のないただの一般人ですよというとものすごく吃驚されるのです。
理由はというと
・ダム湖、ダム天端までは自由に近づける(スイス)
・ダム自体に近付けない(アメリカ、イギリスをはじめ ほとんどの国)
・テロ対策、水道水源だから当然一般人は近付けない
・ダムの中まで一般の人に見せているなんて考えられない
という内容がほとんど。
諸外国ではダムは物凄くセキュリティが高いのです。
それではダムに親しもうなんて発想でPR出来ないから
日本のように森と湖に親しむ旬間や地域に開かれたダムという発想がないので
閉ざされていて自由にダムを愛する人がダムめぐりをするという事が出来ないのは当然です。
これに関連しているもう一つの課題があります。
各国のダム、特に欧州ではダム技術者の人が日本と同じ悩みを抱えていました。
環境変化が大きいという事でダムに対する風当たりの強さは
欧州でも日本と同じか、もっと強いようなのです。
今回の会議のメインテーマは
“DAMS FOR CHANGING WORLD”
サブテーマは
“Impacts of Climate Change on Dams and the Benefits from Dams”
“Dams for Meeting Increasing Demand of Growing World Population”
“Knowledge & Technology Transfer in Dam Engineering”
“Advanced Technologies for Construction of Dams”
“New Techniques to Prevent and Manage Incidents & Accidents”
“Earthquakes”
“Geotechnical Aspects of Dam Foundations”
若手エンジニアへの知識と技術の継承が入っています。
若い世代をどうやって育てるか
若い世代にダムの世界に入ってもらうためにどうしたらいいか
各国共通の悩みなのです。
実際にそれについての取り組みを発表されたフランスの技術者の方からは
具体的な初等教育向け教育資料を見せていただくことができました。
ダムの必要性からダムの仕事、ダム建設で生じる水没保証、
ダムが及ぼす環境変化までをきちんとまとめてあるものでした。
ダムを知ってもらうために見学会をすることも稀にあるが
セキュリティの問題があるのでどうしても一般成人
ましてや外国人がダムに近付くなんてことは不可能という環境の中で
ダムをPRしようとしてもこれからの世代には教育で伝わっても
すでに成人してそういう見学や知ることの機会が失われている場合
分かってもらうことはとても困難です。
なので
ここまでダムを開放し
ダムカードというアイテムも用意し
国民にダムについて知って触れて楽しんでもらえる環境が
整っている日本は本当に羨ましいと仰るのです。
私たちは世界でも稀に見るダム鑑賞が自由にできる国にいる事になります。
◆ ◆

という私がお聞きした堅い話はこのくらいにしてブースの様子。
Dam Mapsを差し置いて一番人気だったのはなんとなんと
takane様の2009年エイプリルフール企画・どこでもダムだったのです。

簡単に操作を説明するともうみんな夢中。
そして出てくるのは
「地質はどうなっているのか」
「ロックフィルもできるのか」
と、本気の質問。
いやいやいやいや
これ、天端標高だけで貯水量計算しているから。
それより何より本気のプログラムじゃなくてあくまでジョークサイトだから。
でもお客さん真剣。
どーしましょ。
◆ ◆

ダムマニアの活動とダムのために豪雨にも負けず撮影に挑む姿は
少なからず各国のダム技術者の方に感銘を与えたようです。
来年の大ダム会議が行われるアメリカはシアトルの方からは
是非、来年はシアトルに来てくれ!!と言われましたが誰か行けそうですか・・。
◆ ◆

とんでもなく驚いたのはイギリスの方との会話。
イギリスのダムについては情報が少なくてお勧めのダムはどこかと聞きたくて
「イギリスのダムってどのくらいあるんでしょう」
というふりをまず入れていた時に帰ってきた言葉が
“I have 58 dams”
えええええええ!!
いいいいま、いま、「あい はぶ」ってゆった!!
あい はぶ ってゆったーーーー
この人、ダム、私物で58基ももってるのっ
どわーーー
お、お貴族様やっ
イギリスの国土は9割が貴族の所領だって聞いたことある(30年くらい前の文献)
この人、お貴族様やー!!
まぁ、冷静に考えれば
この方の所有する会社がダムを58基保有しているという事なんですけど
驚いたよぅ。
◆ ◆
また、ドイツの技術者の方からは普段は公開していないけど
これだけダムが好きなんだったら案内してあげられるよと
具体的な連絡先まで頂いてしまいました。
どーしましょ。
私がいつも欲しくて欲しくて仕方がないと思っている某社保有のドイツのダム便覧。
以前撮影させていただいた時の写真から。
ドイツのダムでやっぱり見ておきたいのは見事に修復されたこのダム↑ですが
個人的にはこのダムに注目。
Olef Dam。
なーんと中空重力式なのです。
うひょっ♪
◆ ◆
フランスの技術者の方がお越しになった時に
ロスランダムがカッコイイので見に行きたいと
お話したら発音が根本的に違うらしくて全く通じない。
で、アーチとバットレスの混合型式なんですという事を通訳の方に伝えてもらったら
さらさらと絵を描いてくださいました。

これだーっ!!
これですこれです。
これ、どう発音するのですかっ!!
世界3大ダムエンジニアの一人、フランスのコインが設計した美しいダムなのです。
本場の発音では「ロ」と「ホ」の中間のような到底発音できない音でしたが
「ロ(ホ)ースラン ダム」が正解でした。

という事でICOLD2012 Kyotoの技術展示会場では
各国のダム技術者の方に日本のダムマニア(ダムファン)をPRするという任務を果たすことかできました。
このような貴重な機会を下さったダム協会と
展示物、配布物に協力くださった皆様
色々な物を作成して下さったダムマニアの宮島様
世界にダムマニア(ダムファン)をPRして下さった萩原様
世界のダム技術者を驚かせたtakane様
会場にお手伝いに来て下さったダムマイスターの皆様
ありがとうございました。