日野川ダム 見学 その1

2019/8/1 更新


滋賀県にある日野川ダムにやってきました。


現地の説明板です。
“本川グラベルフィルダム標準断面図”とあります。
本川締切ダムとして設けられている部分です。

ダムとしての型式はフィルダムです。
アースダムもフィルダムですが
日野川ダムはロックフィルダムの仲間になります。

ロック材の代わりに河床砂礫(グラベル)を使用しているため
グラベルフィルダムとされているのです。

施工例が増えてきた台形CSGダムは
“Cemented Sand and Gravel”でCSGですが
グラベルフィルダムと似ているのかというと
全く設計思想からして別物です。

グラベルフィルダムはロックフィルのロック材が砂礫に置き換わっただけで
堤体の形状も上下流面勾配もフィルダムと同じだからです。


こちらは“右岸アースダム標準断面図”です。
日野川脇ダムとしてダム便覧にも載っています。
右岸締切ダムとして設けられました。


洪水吐ゲートと水路の図です。
鞍部に設けられたゲート部です。


日野川ダムの仕事は洪水調節と灌漑。
貯水池を一周できる散策路があり整備が行きとどいて美しいということで
てくてく歩いてみることにしました。


堰堤はずっと先なんですが
ダム銘が入った親柱が立っていました。
昭和40年12月竣功とあります。


現在地。
貯水池の真ん中の北側のパーキングです。
ここから西に歩いて行くと日野川脇ダムを通過して日野川ダムまで約500m。


訪問当日、それなりの降雨でした。
水位が上がって半分沈んだ木々と周辺の緑が幻想的なのですが。
お天気よい朝に来たらきっと素敵な写真撮れそう。


とりあえず雨にめげずダムを目指します。


右岸締切のアースダム、日野川脇ダムです。
天端幅は5.0m。
貯水池側の勾配が1:3.0で下流側は1:2.5であると
先ほどの説明板にありました。
標準的な綺麗なアースダムです。
草刈りお手入れもよいですね。


貯水池側はコンクリート法枠工で
しっかり波浪の影響を受けないように固められています。
こういうのを見て表面遮水だと思い込む人が多いのですが
止水ラインはここではありません。
アースダムの貯水池側の張り石やコンクリートブロックは
法面が波浪で浸食されないように設けられるもので
遮水パートを担っているわけではないのです。

数年ダム巡りをしている人でも割とこの部分を勘違いして
平気で人前で話している人も多いので
コンクリートって見た目でそういう印象を
与えてしまうものでもあるのかなと思ったり。


対岸の洪水吐も見えています。


脇ダムを過ぎるあたりには弁財天社。
この向こうにグラベルフィルの日野川ダムです。


視界が開けたと思ったら
貯水池側にコンクリート枠の法面が登場。


本堤体の天端に到着しました。