ダムナイト3 公開動画 「これより 本則操作を離れる」 プロダクションノート的な何か

ハイドログラフで泣いてくれ その6

「名張から枚方に電話したんやな」
「うん」
「ホットラインって現場でほんまにこう呼んではるんか?」
「うん。ホットラインって呼んではった」

「流れ橋状態かっ」
「流れてへんって・・」
「これどこや」
「比奈知の下流のどこからしい。ごめん。詳細は不明」

「横引きで行こう♪」
「ちゃうわい!! 移行や移行っ!!」

「あのな・・・」
「ん?」

「カッコつけてこのセリフ言わしたかっただけやろーっ」
「当たり前やん。現場でこんなこと言ってはるわけないやろ」

「え・・現場やったらどんな風なんやろ」

「え・・・そら・・・
“お疲れ様です。比奈知ダムです”
“お疲れ様です。名張がかなり厳しいので放流量を絞る方向で検討しております”
“わかりましたでは横引きで進めさせていただきます”
“はい。よろしくお願いします”
って感じとちゃうんかな」


「・・・・一気に緊迫感無くなったわ」

「いや、実際は丁寧な中にも物凄いプレッシャーと緊迫感が漂っていたはずや。
ホットライン鳴りまくりで戦場やったらしいし」


「軍隊的な言い回しは実際はないって事で」
「演出やんか・・  笑って許してほしいねん」

「これ、暗すぎてよぅ判らへんかったんやけど」
「比奈知ダムの減勢工の横からコンジット見た所」

「これ、突っ込み来たって言ってなかったか」
「うん。突っ込まれた」

「間違ってるんか」
「説明すると長くなるから端折ったのが失敗やったんかと…。
“横引き”って用語の使い方に地方色があるらしいねん。
この使い方は関西の方言と違うかって言われた」


「あ、ダムナイトは関東エリアのお客さんが多いからか」
「そうそう。わしも今回初めてこの単語教えてもらったから」
「ハイドログラフで言うとこの辺りが該当するねんけどな」
「ほー」
「統管と木津総から指令が出たのが3:15頃やからこのあたりやねん」
「本則操作とか言う奴やったらどうなるはずやったんや?」
「流入量と同じ量を放流するから青い線と赤い線の間が離れていかへん」

「“横引き”って言葉自体はどこにもあるんやな」
「うん。あるらしい。でもその使い分けとか微妙な差はたぶんプロしかわからへんねん」
「なんで」
「ダムによって洪水調節方法は一定率一定量とか鍋底とか色々あるから
このダムでこの時間にこうしたらっていうのと
別のダムでこの時間にこうしたらっていうのは同じようなハイドログラフの曲線に見えても違うねん。」

「業界用語やな〜」
「まさにそれ」
「ほんならそんな小難しい用語使わへんかったらええやんか」
「ごめん・・・」

「これまた凄い数字が…」
「詳細は省くけどこの時、尋常じゃない数字がでてるんやて」
「借り物か」
「こんな戦場まっただ中に写真撮りに行けるかいっ!!」

「ここはなー、ちょっと演出入ってるんや」
「確信犯か」
「この段階ではじわじわ上がってるレベルなんや。
ぐわわわわーーーっと上がるのはもう少し後。

降った雨がダム湖に入ってくるのにもタイムラグがあるからな〜」
「アスファルトとコンクリートの都市部と違って周囲山やから当然やな〜」

「このカッコええ部屋は?」
「木津総のコントロールルーム」
「誰もおらへん・・・」
「当日はてんてこまいやったんや!!」

「受話器がずらーっと・・・」
「ホットラインやて」
「受話器あげたらすぐつながるんやな」
「ホットラインやねんから当たり前やろ」
「えらい多いな」
「室生・青蓮寺・比奈知・布目・高山・関西支社・淀川統管」
「どこと電話してるかわからんようになったりして」
「わしはいくつも電話がかってきた時に戻すところ間違えたらどうなるんかなと思ってた」