平取ダム 公式見学 その1

2023/7/11 更新


路肩はここだよと教えてくれる矢印も
それを支えるポールも文句なしに頑丈につくられていることが
北海道を感じさせる車の中からの一枚。

二風谷ダム見学の後に向かっているのは
令和4年11月26日に竣工式を終えたばかりの
できたてほやほや平取ダムです。


堤体からかなり離れた所に造られている管理支所に到着しました。
通常、堤体の横に造られるものですが理由があって
離れた場所に造られています。
ダムから離れているということは
機側操作しなくてはいけない事態になった時にとても不利。
なので多分、たいへんな降雨が予測されたときは
発電ダムの皆様が予め現場に人を送るように
ゲート操作が必要とされる時には誰かが堤体に向かうのではないかと予想。


資料室にあった模型で見ると堤体と管理所はこのくらい離れています。
ざっくり直線距離を測ると800m位。


こちらはパンフレットにあった上流面図です。
平取ダムは横に長いダムですので管理所からの距離の測定の基準にしたのは量水標です。
管理所から目視できることはとても重要なので。


平取ダムのお仕事はFNW。
洪水調節と流水の正常な機能維持と水道用水。

元々、平取ダムと下流の二風谷ダムはペアでFNAWIP
(洪水調節、流水の正常な機能維持、灌漑、水道、工業用水、発電)
を担う計画でした。

二風谷ダムが完成して間もない2003年8月にやってきた台風10号(T0310)が
沙流川に観測史上最大の降雨をもたらしました。
「平成15年8月洪水」です。

北海道開発局 室蘭開発建設部のHPで紹介されている資料です。
沙流川 平成15年8月台風10号洪水について

この洪水の後、治水計画の見直しが行われ
二風谷ダムと平取ダムの計画が変更になりました。
すでに竣工していた二風谷ダムは利水計画の変更で治水容量を増やし
平取ダムも同様に利水容量を治水に振り替えました。


管理支所玄関にあった対雪用具。

・・・。
なんでこんなに種類あるの。
なんでみんなポリプロピレン(強化?)なの。

と、頭の周りに疑問符を飛ばしていたら
まだこれでも足りないらしい。
「ママさんダンプ」とかいうものがないらしい。
いったいどれだけ用具があるのか。
これだけの種類があるということはそれぞれが
利便性に特化した物であるということだろうし。


本日は、管理支所の方にご案内を頂いて厳冬期に特別公式見学です。
こんなに積雪がすごいのに見学させてもらえるということに驚いています。
単に、自分が雪とあまり縁がない鹿の国で長く暮らしていて
対雪スキルが低いだけではあるのですが。

北海道のダムでは、この冬、あちこちのダム湖で
アイスカルーセルも開催されましたし雪と氷の利用に長けていて
すごいなーすごいなー。


長い長い堤体の右岸よりの一番高さのある部分です。
これでちょうど堤頂長の半分くらいが見えていることになります。
左岸側にはずーーっと長く20m位の高さで堤体が伸びているのです。
そしてさらにそこからずーーーっと連続地中壁が257.7m伸びています。

ダムが堰止めている額平川はこの地点において
左岸側に緩やかな元河床の段丘が形成されていました。


堤体
堤趾導流壁
外側の壁? 段?
減勢工右岸側の壁?
導流壁?
減勢工左岸側の壁?

ちょっとこの角度から見るとコンクリートの壁ばかりでわかりにくい。
上から見たらきっとわかる。


ぴんぴん三角デフレクターのあるブロックには常用洪水吐。
正確には洪水期用常用洪水吐でコンジットにゲートが装備されています。


クレスト部はゲートレス。
ゲートレスクレスト越しの青空ってなんて素敵♪


この日一番良いビューポイントから見た堤体です。

とにかく複雑な構造の平取ダム。
1ブロックに1ゲートという複雑さ。


平取ダムにおける機械設備について


超ややこしい。
さらに平取ダムはシンプルな流水型ダムではなく
利水が乗っかっていますのでシーズンによっては貯水もしなくてはなりません。
これ、絶対、操作ややこしい。


当日、平取ダム見学でご一緒したのはMi様とNya様です。
一緒にカッコいい〜♪ときゃっきゃうふふできるダム好き仲間が
いるといないでテンションが違ってきます。


皆様、北海道民で対雪スキルが高くてついていけない…。
ひとりで遅れをとりまくって付いていくのも必死です。
チビだからっ。
脚が短いからっ。
写真撮ろうと必死だからっ。
ということで隙間から撮った副ダム。