有間ダム 見学 その2


右岸側に移動してきました。


右岸側から見る堤体です。
下流面も緑豊かです。


右岸側には選択取水口があり、それを過ぎてさらに上流に進んでいくと
主役のトンネル式洪水吐が見えてきました。


有間ダムのトンネル式洪水吐の説明板です。


ここにも記されているようにこのトンネル式洪水吐は土木学会賞を受賞しているのです。

有間ダムが竣工するより前にも国内のダムでは
いくつもトンネル式洪水吐が作られています。
一番古いのは神戸市水道局・烏原原貯水池立ヶ畑堰堤の排砂バイパストンネルでしょう。
洪水時に濁った水を貯水池に入れないで下流にパスさせるルートです。

福井県の笹生川ダムは再開発で非常用洪水吐を増設したりしています。
昭和52年に完成したトンネル式洪水吐。
(20年近く昔の写真です。現在は木が育ってこんな風には見えません)


東京電力の奈川渡ダムの洪水吐が有名かと思います。
(これは梓川テプコ館が開館していた頃に展示してあった資料です)

どうして有間ダムは土木学会賞をもらっているのか
今までのトンネル式洪水吐とどう違うのか
それを知りたくて現地に来たのです。


これがトンネル式洪水吐の流入部の越流堤とゲートです。


どの向きが見えやすいかなとうろつきましたが
こんな風にフェンスがあってなかなか見づらい。


コンデジなのでフェンスの隙間からズームしたりしていましたが
特にこの角度からは欲しい情報が取れません。


見えるところを探してさらに移動。


巨大なバスタブ型越流堤です。
そこから続くトンネルもかなりの大断面。


さらに移動してきました。
しかし、高さを何とかしないと湖周道路からはいくら見ようとしても
トンネル自体は見えそうにありません。


一番見えていたのがこのくらいの角度でした。


説明板にあった図です。

・・・。
なんとなくすっきりしない。

有間ダムがすごくないと言っているわけではなくて
本格的なトンネル式洪水吐でシュート式じゃなくて
大断面のトンネルで…となると
笹生川ダム再開発のほうが先じゃないかと言いたくなるのです。
なのに笹生川ダムには土木学会賞もらえないの?

うーん。
奈川渡のような、いきなりシュートになって圧力隧道になりそうな
トンネル径ではなく、大断面トンネルなのは分かるけど…

笹生川だってすごい大断面で山を越えるまでは1/100勾配でシュートでなくて
山を越えて開水路でシュートになっている美しい設計なのに
どうして有間ダムだけ土木学会賞なのかなぁ…。


トンネル式洪水吐についていろいろ調べていて
必ず見ておかねばとやってきた有間ダムの洪水吐はとても立派で
さすがだなぁと見とれる作りでした。

笹生川ダムとついつい比べてしまうけど
有間ダムが劣っているわけではないし。

それよりとにかく人の多さに驚いた
首都圏の皆様に大人気の有間ダムでした。