天ヶ瀬ウォーキング その1

2015/12/21 更新


突然、思いつきで国立京都国際会館にやってきました。
翌日から世界工学会議2015という、なんか凄い学会が開催されるらしい。

京都国際会館はICOLD2012の時に通ったのでイメージがその時のまま。


ここまでやってきた目的はこれです。
『河川技術が果たすイノベーションと社会貢献』
国際シンポジウムと書かれているとおり
発表全部英語。
同時通訳の機械が入口で借りられる仕組み。

午後から、土屋信行先生の発表があるというただそれだけで来てしまいました。

ランチタイムで会場が空になったなーと
そーっと覗き込んでいたら目が合った。
いつもお世話になっている京都大学・防災研の角先生と。

角先生がいらっしゃるのは不思議でもなんでもないけど
素人がここにいるのは変な事この上ないので驚かれてしまった。


角先生のランチのご相伴にあずかりまして
図々しくも先日、自分が発表した漸縮型堤体導流壁についてと
ゲートレスダムのダム高の考え方、単位幅流量について
再度、基本から教えていただきました。
どこでも勉強する。

そして午後の部で土屋先生のお話を聞いて
帝都の治水、知らないこと多すぎていろいろ吃驚したなど。
淀川のことしか勉強してないから。
埋め立てと関東大震災で生じた瓦礫のこととか全然知らなかったよぅ…。



翌日も京都にいました。
宇治川の右岸側。
京阪宇治駅のそばです。

宇治に来たらいつも使うパーキングに車を入れて
JR宇治駅近くから京阪宇治駅までてくてく歩いていると
交差点で以前お世話になった宇治観光ボランティアガイドの方とばったり出くわす。

「あれ?夜雀さん」
「はいっ!? あ!! おはようございますぅぅ」
「今日はどうしたの」
「いまから天ヶ瀬ダムまでウォーキングする団体さんの後を尾行するんですぅ」
「尾行って…」
「例の天ヶ瀬右岸の観光についての調査の一環ですぅ」


宇治の観光についてあれこれお放ししていると
お手持ち資料から興味を引きそうなものとして
宇治の煉瓦建物や煉瓦構造物についてお聞きすることができました。

「いまから京阪宇治駅に行くんでしょ」
「はいー」
「すぐ横に登り窯の跡があるから案内しましょうか」
「煉瓦の?」
「そうです。そこで煉瓦焼いていたの」


京阪宇治駅と宇治川の間の道を進んでいきます。

「これ京阪宇治駅ですか」
「そうです。こちらから見たところは串にさしたお団子をイメージしているとか」
「・・・。お団子にしないでもいいのに」
「中は全然違うんです」
「入ったことないですけど写真で見る限り、すごくきれいなデザインらしいですね」
「賞も取っていますよ」
「でも外観はお団子なのか」

又、使う機会があれば入ってみたい京阪宇治駅構内。


ホームが横に見えているこの一見、何もない広場。
ここに登り窯の跡があるらしいのです。


あら。
煉瓦の山がある。

「規格外とか焼きが悪かった奴を捨ててあったんだと思うんです」
「おお。刻印ないかなー」
「刻印?」
「窯によっては何個かに一つ、全部じゃないんですけど
自社のマーク入れているところとかあるんで」

「そういう良いのはないかもね。まだ調査始まったばっかりだし」

「これが登り窯の跡」
「・・・鬱蒼としてますね」
「まだ調査これからだから」
「まず草刈からですね」

「なんか落ちてる・・・」
「何でしょう」
「・・・ぶっ・・・これ、この登り窯跡を調査した会社が落としていったメモみたいですよ」

遺跡・遺構の調査メモでした。


宇治市街には鉄道の橋脚などもですが
煉瓦製の構造物がいろいろあるのです。
多くは宇治茶の生産工程で使用される窯関係が多いのですが
天ヶ瀬ダム直下の旧・志津川発電所のような大物もあります。
これは産業遺構を学ぶには必要な情報だなと嬉しくなりました。

宇治観光ボランティアガイドクラブの皆様にはお会いするたび
いつも貴重なお話をいろいろ聞かせてくださるのです。
勉強になります。

「ありがとうございました。では私は尾行に向かいます」
「尾行と違うでしょ」

と、ご案内いただいたボランティアガイドクラブの方にお礼を述べて
京阪宇治駅前に移動。


本日、天ヶ瀬ダムまでウォーキングツアーをされる皆様です。

何がどうしてこちらの皆様を尾行することにしたかというと
主催者の方がこういう企画を考えているということを
小耳にはさんでいたので当日、仕事がお休みだったら
こっそり後をつけて行こうと目論んでいただけ。

いきなりお集まりの皆様の前で主催者の方から
ダムマニアの夜雀さんですと紹介されて泡食った。