愛本堰堤 見学 その3

愛本堰堤で取水された水はすぐ下流にある
黒部川合口用水の沈砂池に向かいます。


これは右岸の沈砂池です。
現在、竣工してから初めてとなる大規模改修工事の真っ最中です。

沈砂池はその1969年の豪雨の時にも壊滅的なダメージは受けず
頑張って働き続けてきました。

しかしさすがに造られてから80年以上経過して
コンクリートやゲートにも痛みが出てきました。

平成21年度〜22年度右岸側
平成23年度〜25年度左岸側
で、改修工事が進められることになっています。

この施設は日本の水理学の父・土木耐震学の祖
そして真立と真川調整池ダムの生みの親である
物部長穂博士の設計であると言われています。


で、沈砂池を過ぎたお水は発電所にも向かいます。


北陸電力・黒東第一発電所です。
黒部川の東(右岸)側に第一から第三まで発電所があります。


雪解けがようやく始まった黒部川下流。
真白の雪原
時に出水で甚大な被害をもたらす水

河川総合開発
治水と灌漑と発電

黒部川の水

それは上流でいくつものダムを経て
いくつもの発電所を経て電気を生み出し
愛本堰堤に到達した後は発電もしながら灌漑用水として
いくつもの水路を経て平野に導かれていきます。


人の暮らしに大切に使わせてもらおう
川の水を安全に使えるようにしよう

立山の麓で
そんな志を持った先人が造り上げた初代・愛本堰堤。

その思いを打ち砕くかのような災害に遭いました。
でも志は受け継がれて再び愛本堰堤は蘇りました。

山を敬い
川を敬い
先人の心意気を感じられる
黒部川の愛本堰堤でした。