ダム工学会 水道ダム交流講演会 その2


続いて山の田ダムはもう時間取れないかと心配していましたが
こちらも皆、走りました。


こんな走り回る見学会は初めてです。
でも参加者みんなとっても楽しそう。
私も楽しい。


佐世保市水道のダムは平成27年頃から堤体管理についてダム技術センターから
指導を受けて対策されています。


この堤体の計測機器もそうです。
フィルダムではこのタイプが多いですね


山の田ダムで以前見学させていただいたときに川崎先生と一緒に
頭をひねっていたこの堤体下流面のコンクリートの段ですが
その後、川崎先生が調べられまして、竣工時にはなかったことに加え
戦時中に堤体を守るために被覆材を並べる足場として設けられたものらしい
という事がわかったと説明を頂きました。

すっきりした~♪


左岸の洪水吐まで早く近づかねば。


洪水吐の長ーい越流堤が人気でした。


個人的に好きなのは貯水池側のこの波浪による浸食を防ぐための石張り
そして、きゅっと立ち上がる波除堤、wave wall です。


参加者が走り回って喜んでいたので佐世保市水道局の方が
ご案内くださったのは取水塔まで続く導水管が格納されている底樋です。


取水塔までなのですごく長いです。
地図でパッと見たところ、200m近くありそうでした。


転石ダムと同じく、こちらも大きな段々の洪水吐水路です。
大きな段にしないと減勢ができないからこの時代のフィルダムの洪水吐に
このデザインが多くなったんですね。

帝都の村山下ダムや周南市の一の井手ダム、舞鶴市の岸谷ダム
みんな洪水吐水路に大きな段々を持っています


敷地内には古い水道管なども置いてありました。


文字が見えたので確認したところ『九三治明』と刻まれていました。


二つのダムを走り回って見学させて頂いた後
会場のアルカス佐世保に到着です。

まずはお昼ご飯。


講演会始まりました。
最初はダム工学会の角会長から
『水道ダムを「賢く」、「増やして」、「永く」使うために』
というお話を頂きました。

気候変動が激しく諸外国でも水が不足していること
日本のダム再生、ダム管理技術は最高レベルであるということ
一方で、土木学会インフラ健康診断でも水道施設がとりあげられたが、
水源である水道ダムが対象に含まれず改善が必要なこと
これからは水道ダムも事前放流などでより活躍の幅を広げてほしい
というメッセージでした。

すっごく勉強になりました♪

土木学会 「インフラ健康診断書2024」

興味がわいた方はぜひこちらの土木学会のページをご覧ください。


続いて、ダムマイスター二人でふわっと会場の空気を
和ませようと発表したのがこちらです。


北海道と本州の事例は私が
九州の事例は北九州のダム好き様にお願いしました。

現地できちんと見学してくださっている方のお話はとても面白いです。
北九州のダム好き様はダム工学会のwith Dam Night九州ブロックのイベントで
いつも頑張ってくださってるので安定感が半端ない♪
全部アドリブで対応してくださいました。
素晴らしい♪


ダム技術センターの川崎先生からは
吉村長策技師の素晴らしいお仕事の紹介です。

神戸市水道局の布引五本松ダムは
自然石の切り石を型枠にした粗石コンクリートダムでしたが

本河内低部ダムや西山ダムではコンクリートブロックを使用しています。
コンクリートがまだ高価だった時代ですが工期が短く出来ることに
技術者魂を感じられるというエピソード付き。

いかにコストを安く抑えて風格ある構造物を作るか
ここに技術者魂が感じられるんだというのは川崎先生から
度々説明を受けていたので自分にはとても納得できることなのです。

佐世保の水道ダムの中でも
本日見学した転石ダムの技術的な工夫についての説明では
参加者の皆さんがもうスライドに釘付けになりました。


第二部はシンポジウム。

福岡市、北九州市、長崎市、佐世保市の水道局の方が
それぞれの水道の特徴や取り組みについてお話しくださいました。

水道ダムを管理している水道局の方は
浄水場も揚水機場も管理しなくてはいけないし
各家庭まで届ける水道管の管理や送水で業務が大変なので
堤体に手をかけられない状況が生じていたというのは
ライフライン支える現場でありがちな落とし穴。

ダムが堅牢で問題なく稼働できる初期設計のすばらしさが
逆に、ダムはコストかけなくてもいい、ダムに任せておけば大丈夫
という安心感を与えていたのだとしたら喜んでいいのか悲しんだらいいのか微妙。

貴重なお話を聞くことができて大変有意義な会でした。

第二部で司会を務めたのですが、時間が気になって
巻きに巻いて乱暴な進行をしてしまったことをお詫びします。

当日の様子はまたダム工学会のアーカイブで見られるようになったら良いなと思います。

第1回のダム工学会 水道ダム交流講演会は
車両トラブルなど予期せぬ事態が起きましたが
無事に終わることができました。

参加者の皆様のダムにかける愛と
主催者の皆様の熱意が成功に導いてくださったのだと思います。
ありがとうございました。