殿山ダムの遊覧船 その2


公式見学で天端に通してもらったときにも本当に最高の場所だなと
思って地形を見ていましたがダム湖から見てもホントに深い谷にある
というのを実感します。


この日の水位はこのくらいでした。
堤体につけられているのは利用水深を示すマーカーです。


堤体を離れて各川のバックウォーターに向けて船が進んでいきます。
地質が好きな人、地形が好きな人、植物が好きな人と人によって
注目ポイントは色々だと思いますが自分がドキッとするくらい
素敵だなと思ったのはこの風景です。
将軍川のバックウォーターに向けて進むとみられる風景。

湖畔にまとまった木立があって
この水位では水没林になっていなくて生えている地面が湖面ギリギリでした。

元々、集落があったところだそうです。
もう少し水位が高かったら更に幻想的な風景になりそう。

葉っぱがまだ出ていなくて木の種類がわからなかったのが心残り。
葉っぱが出たらGoogle Lensで調べられるかも。

ただ、水位が高くないと近づけないところも出てくるので
貯水位高めが遊覧日和という事かと思います。
幸せ水位最高。


前の川のバックウォーターに向けて進むと両岸がググっと迫って
垂直に切り立っている“三川高千穂峡 ”に到着します。

パッと見て、あ、高千穂峡っぽい!!というイメージが湧きました。
ネーミングぴったり。


ここにはキイジョウロウホトトギスが群生していると聞いて
きょろきょろ探しました。


キイジョウロウホトトギスはこんな花です。
葉っぱが特徴的なので花が咲いていなくても見分けられます。


高千穂峡の真名井の滝は、現地で吃驚したのですが
上に水路と水槽があって、観光客の方がひどい目に合わないで
楽しく滝を愛でられるように水量がコントロールされていました。
ここの滝は自然の滝なので雨の後とかは水量多いかもしれません。

紀伊半島の雨の後に出現する滝はとんでもない水量になることもしばしばなのです。


こちらはバス釣り用のレンタルボートの基地です。
この日、バス釣りの人が一人もいなかったのはレンタルボート屋さんがお休みだったからでした。
普段はもっとバス釣りの人がたくさん来ているのかと思います。
スワンボートがあるのが地味に気になります。


そしてこちらが教えていただいて大喜びしていた
殿山ダムのゲート点検時で用いる角落しの格納庫♪
こういうところにあったのか~♪


山のあちこちに自生している山桜のピンクが綺麗ですが
まだ暑くなる前に新緑の緑が強くなる頃に、真っ青な空の下で
幸せ水位だったら更に美しい画が撮れるかもしれないなーと思ってみていました。


一時間遊覧をして戻ってきました。
この後はちょっと車で移動です。


堤体から遊覧船乗り場までの間にある三川地区に移動してきました。
こちらに遊覧船を運航しておられる方のご実家です。
ランチを申し込んでおいたのです。

会ったばかりの人とも物怖じせずに喋りかけられる方なので
おうちに入れてもらうと同時に間取りが素敵だったので
それをきゃっきゃと喜んでいたら、応接室も見せていたけました。

そしてそこにあった本棚に凄い文献を見つけて
いつもの書痴の血が沸騰。

いやいや、いやいや、まずはランチ。
ランチを頂くためにお邪魔しているのだから。


この日のランチメニュー♪
遊覧船を運航しておられる方の奥様の手作り♪

品数すごーい。

「ごんぱち」はイタドリのことだそうです。
自分の地元では“すかんぽ”という呼び方をしていました。


自家製のお味噌で豆腐とわかめのお味噌汁。
ご飯もついてとってもボリューミー♪
いっただぁきまぁす!!!

ランチを美味しくいただいてお腹ポンポンになった後
あつかましく文献も見せていただきました。

ありがとうございました。


この後、三川地区を見渡せるので先ほど遊覧船で
下からグレーチングを眺めていた小麦橋にも行くことにしました。


わーい♪
グレーチングの隙間から湖面が見える。
たーのしーい♪


対岸まで渡ってきて三川地区を見たところです。

三川地区はこの湖州道路でつながっている集落の防災拠点にもなっています。
しかし、その三川地区でも紀伊半島大水害の時には
地滑りで道路が半分だけ滑って落ちたりしました。

ここから少し離れた地区では大きな土砂崩れが発生し
遊覧船のオーナーのご友人が亡くなったとお聞きしました。

あの水害はあちこちに傷を残していますが
確実に少しずつ、復旧は進んでいます。
三川地区の道路もすっかり元通りになっています。


最後に、殿山発電所を見に行くことにしました。
ダムからそんなに離れていません。
こちらに到着した頃には青空になっていました。


殿山発電所の銘板。
先ほど見せていただいた文献によるとこちらの銘板は
丸山発電所と同じく、当時の関西電力の堀会長の筆によるものでした。
カッコいい字だなぁぁぁ♪


殿山発電所の最大使用水量は26m3/sだそうです。
この時間の使用水量は確認していませんが
水の透明度もあって勢いもあって良い発電日和でした。


桜のころにと、ずっと狙っていた殿山ダムの遊覧船に乗ってきました。

四季折々、貯水位によっていろんな顔が見られると思います。
新緑の頃も紅葉の頃もいろんな顔だと思いますが
なんといっても水位によって顔が変わると思うので
川の防災情報で貯水位を確かめてから行くと良いかと思います。

風景を見るにはもちろん貯水位が高い方が素敵だと思いますが
貯水位が低いと堤体の見える面積が大きくなるの迷うところ。

日本初のドームアーチダムであること
利水ダムの治水協力を長く続けてくれていること
殿山ダムのカッコいいところは色々ありますが
何より、ビジュアルが超カッコいいのがポイントだと思います。

たくさんの方に来てほしいです。

合川ダム湖遊覧船のオーナー様、奥様、ありがとうございました。