令和5年 山須原ダム 見学 その3
山須原ダムにおさわりペタペタできる至近距離で見せていただいた後に
移動してきたのはすぐ上流の諸塚村中心部です。

諸塚村中心部が良く見える尾佐渡橋(おさわたりばし)からのビューです。
どうしても気になることがあってここにもご案内いただきました。
山須原ダム改造工事が終わり、安全祈願祭が執り行われたのが令和4年6月11日です。
令和4年9月、最強クラスの台風がやってきました。
T2214(令和4年台風14号)です。
中心気圧910hPaまで発達し、鹿児島に上陸したときには925hPaでした。
この台風で大量の降雨が予測されていたために
耳川のダムは9月16日から通砂を開始します
9月18日06:45のナウキャストです。
まだ上陸していませんが先行降雨はかなりの量になっていました。
通砂の時だけみられる耳川水系ダム通砂関連情報で情報をとります。
工事は終わってましたが、名前の後ろにまだ工事中の文字。
9月18日19:10
累積雨量 441mm
え…??
全放流量 3248.02m3/s
この時点でゲート操作は流入量=放流量(Qin=Qout)です。
ものすごい水が押し寄せていますがダム湖水位を上昇させることなく
下流にパスしている状態です。
通砂運用ですから。
夜中のライブカメラは目を凝らしても雨粒しか見えない。
とんでもない水が来ていることだけ気配でわかるけど
詳細が全く見えない。
耳川の真上にやってきたのは18日の21:00頃。
中心気圧が940hPaでした。
9月19日01:30の衛星画像です。
9月19日05:05
累積雨量 595mm
全放流量 2875.80m3/sで少しずつ流入量が減ってきましたがそれでも
山須原ダムの洪水量を1000m3/s以上、上回っています。
9月19日11:20
累積雨量 570mm
…なんで減ったのかしら。計器に異常が発生したのかな??
(後日確認して、降雨終了までの累積雨量は880mmと聞いています)
やっと山須原ダムの洪水量に近づいてきました。
記録を見ている限り、貯水位はきっちりコントロールされています。
流入量=放流量(Qin=Qout)で、貯水位はEL123mくらいで安定しています。
◆
改造工事のきっかけになったT0514(平成17年14号台風)で
山須原ダムには最大で約4100m3/s(※洪水痕跡からの推定値)もの流入量があったのです。
それを上回る水を吐けるように設計されたゲートです。
すべきことは完璧にやってのけています。
ただ、T0514よりT2214の方が上回っていたのは最大時間雨量でした。
T0514は最大時間雨量 71.0mm/h
T2214は最大時間雨量 76.5mm/h
だったという事です。

山須原ダムが改造工事を続ける中、一足先にT0514で浸水被害を受けた
諸塚村中心部は嵩上げ工事が行われてました。
もう浸水することはないと安心されていたと思います。
しかし、T2214でまたもやこの嵩上げが完成したエリアが床下浸水しているのです。

山須原ダムの貯水位はきっちりとコントロールされており
ここが浸水する程に水位上がっていませんでした。
なのに浸水被害が発生したというのは
どこから水が来たのかという疑問がわきます。
昭和28年の南山城水害のように山からの水で
住宅が浸水したという事例もあるわけですし
河川水位だけが理由なのではない可能性もあると思って。

ご案内頂いた九州電力の方にお聞きしたところ
嵩上げ区間の浸水は意外なところから水が来ていたことがわかりました。
嵩上げ区間のなめらかコンクリートと、元々の岩肌の境界部分で
波が立って波浪が堤防のパラペットの高さを超えて地区に侵入していたというのです。
なんという予想外の水の侵入ルート!!!

地区内に降った雨や山からの水はちゃんと排水できるルートがつけられているのですが…

更に悪いことに、河川水位が高かったことで
本来は内水排除のために働く樋門が本川水位が高いために開かず
内水がたまり続けたのです。
あああああ…。
これは悲しい。

これだけの高さまで嵩上げされているのに水が来るなんて
ほんとに雨の降り方が狂暴過ぎるとしか…。

ということで大急ぎでパラペットの嵩上げが行われました。
このくらいの高さがマシマシされております。
もう波浪にも負けないぞ。

続いてやってきたのはファミリーマート諸塚店です。
2021年10月末開店で、宮崎県と鹿児島県で村への出店は初
という事でニュースになりました。
しかし、今回のT2214で諸塚地区中心部のほかの建物と同じく
水に浸かってしまいました。
2022年9月26日から時短営業で再開されたという事を
地元で一番情報が早い、しぜんと、つながる、もろつかナビ様の
「X」のポストで確認しまして、ほんとに嬉しかった。

という事で訪問記念にお買い物♪
ありがとうファミマ♪

改造工事が終わった山須原ダム。
やっと会いに来れました。
T2214は耳川にまた大変な被害を出していきました。
塚原ダムのすぐ下流では拡幅されたばかりの国道が落ちました。
でも、ちゃんと復旧工事が進んでいます。
たくさんの人に耳川ダムロードに来てほしいです。
そして強くなった、カッコよくなった山須原ダムを愛でてほしいと思います。