中筋川ダム堰堤改良工事 その2
しとしと雨は降り続いていますが中筋川ダムにきて
直下から見上げないというのは駄目です。
直下から美しさを愛でてこそ中筋川ダムなので行かねば。
ということで移動してきました。
直下に架かる「みあげはし」です。
下流面真向きが見られるので必ずここには来ておきたい。
シンメトリーな美しいデザイナーズダムです。
オリフィスの高さが違うのにスリットは同じ高さに見えるように作られていて
隅々まで手が込んでいてとてもお上品な美しさ♪
基本的に選択取水設備からの水は発電機を回して
河川維持流量として右岸側のここから供給されています。
発電所の点検などでこちらの水が止まったら
左岸側の予備放流管がお仕事をします。
吐口は副ダムの向こうなのでここからは見えません。
この二つの放流管はそんなにたくさんの水を吐くことはできませんが
防災操作の立ち上がりの時のステップ放流には十分使えると思いますので
せっかくある設備なのだから使ってほしいなーと思って見ていました。
逆にここが活躍するような事態になってほしくないのは非常用洪水吐。
でも中筋川ダムは美しい洗浄放流でクレストからの美しい水の流れを見ることができます。
天端橋梁の裏側に洗浄水を放水する管が備え付けられています。
この洗浄水は貯水池からも取れますが基本的には
堤体左岸の沢からの水をタンクにためて使用しているそうです。
貯水池にもポンプは設置してあるので渇水で沢の水が少ない時は
ここから取水することもできるように備えあれば憂いなし。
工事説明の映像でちらっと見えていたので撮影。
天端のレベルでは中々、上流面が見えないのでちょっと山の方に入ろうと思います。
よく見えるところがあるらしいとお聞きしたので。
ということで山道を登ってきました。
ばっちり見えるこんなポイントがありました。
素晴らしい♪
仕事をしていないと怪しい宇宙船に見える…。
工事が終わったオリフィスゲートが見えています。
高さの違う二つのローラーゲート。
既存の設備を大事に使って防災操作の新しい装備を手に入れた中筋川ダムです。
流木、流塵ができるだけ悪さをしないようにしっかりスクリーンも設けられました。
管理所玄関で見られる工事説明映像によると
巻上機は左岸側は桜色、右岸側は卵色で可愛らしい色使いのようです。
昨年、With Dam Nightでお世話になったIHIインフラシステムの方が
現地においででしたので写真のおすそわけを頂きました♪
ぴかぴかの巻上機と機側操作盤です。
下段オリフィスゲートの巻上機がこちら。
桜色の子です。
上段オリフィスゲートの巻上機です。
卵色の子です。
パステルカラーで可愛らしいですね♪
ゲートレスダムに防災操作ができるゲートを増設する。
これは今後、増えていくのかも知れません。
一方、人口減少でダム操作の高度管理を進めるにも人材育成は大変です。
降雨予測の精度も研究が進んで上がってきていますが
まだまだ求められるレベルには達していないというか
台風ならともかく前線性降雨や線状降水帯は本当に予測が困難なので…。
ゲート操作は永遠のダム管理の課題です。
防災操作をする側の安全も確保された遠隔操作と
予測に基づいた安心のゲート操作と
人の心がある事で実行できる特別防災操作と
ゲートレスダムの強さにプラスされる色々な操作。
令和5年の春。
洪水期を前に完成したオリフィスゲートを見て活躍をお祈りした中筋川ダム訪問でした。
四国だから
おっへんろーらーと呼ばれる皆様のために。
トイレのピクトさんはお遍路さん。