令和5年の三瀬谷ダム その3


8月9日に渇水が解消された喜びもつかの間
ほぼ同時にT2307対策開始です。

8月12日には2000m3/sの流入予測が出ていました。

今回は特に各所の予測がかなりバラつきがありましたが
相当降るだろうという予測はぶれなかった様子。


8月14日15:15 T2307の事前放流についてのNHKニュースweb三重県版。

あららん。
誤字だわ〜。
三瀬谷ダムです。


川の防災情報の三瀬谷ダムの画面です。

本来はEL80-82m位はあるのですが
T2306対応で下げていたから2日かけて0.5〜1.0m程度下げるだけでよかったとのこと。

・ちなみにこの通りT2307の事前放流は8月13日 am06:00には完了しています。

・8月14日には4000m3/sの流入予測が出ていました。

・三瀬谷ダムは3類のダムなので
(河川法第二章第三節第二款、建設省河川局長通達 建河発第一七八号)
洪水が予測されるときには

あらかじめ、貯水位を下げて空虚容量を確保して洪水に備えます。

多目的ダムでは予備放流水位が定められていてそこまで水位を下げることは本則操作。

降雨によって回復する予測のもとに利水者の了解を得て本来は確保しなくてはいけない分を放流して
治水容量を空けるのが事前放流で、本則操作ではないので特別防災操作の一種になります。

・川防のグラフではQin=Qoutになっていないけれど
(集計時間の関係でグラフがずれる? 昨年の木地山みたいな現象)
実際は洪水量を越えてどんどん流入量が増えてきている時に
もうゲートは全開にしてフリーフローまで持って行っているのです。

・3類のダムの操作を完璧に決めてこのときはフリーフローです。
予測に応じて早目にフリーフローに持っていけているから
このとんでもない流入に完璧に追従したグラフが表れているわけです。

・川防はとても素晴らしいデータをくれるのだけどあくまで速報値だから
これだけで判断すると罠にはまります。
管理者様の発表と上下流の水位と比較して初めて見える操作の全容。

・恐ろしいのはこの8/15のam07:00から09:00にかけての
とんでもない流入量の増加っぷり。

・そして突然、流入が下がってしまうという
何が起きたのかわからない位、衝撃的な流入量変動。

一気に入ってきて一気に減る

・4000m3/s入っていたのに1日も経たずに数時間で1000m3/sまで落ちるなんて
他の水系でも見たことが無い位の変動の激しさです。

・同じ時間帯に大台ケ原の真下の池原ダムでみると
流入量が1000m3/sから4000m3/sになるのに5時間くらい
ピークからまた1000m3/s位に下がるのに12時間くらいかかっていますので
同じ台風でこの差はまさに地形に左右されたと思われます。

・なんにせよ
フリーフローまで持って行っていたとしても
この水位の急上昇、急下降は怖すぎます。

三瀬谷ダムの既往最大流入量はT0421の5600m3/s(推定)
今回のT2307は既往第2位、4000m3/s
第3位は2015年にあった3600m3/sです。

今回のT2307はかなり恐ろしい台風だったのでした。


台風襲来後、青空の下、放流している三瀬谷ダム。
流域の皆様のために治水協力、灌漑用水の調整、発電調整
ほんとに色々なお仕事を頑張っています。

国土交通省が提唱しているハイブリッドダム。
それは利水ダムの治水協力と治水ダムの利水協力
利水と治水の垣根を越えて、限りある水と貯水容量を
無駄なく有効活用するという考え方。

ダムの高度管理は本当に大変です。

そんな管理の大変さの片鱗をちらっとを見せてくれた令和5年の三瀬谷ダムでした。