令和5年 小屋平ダム見学 その4

堤体のすぐ左岸側にあるこの設備。
滑らかカーブの不思議な構造。!
何とこれが排雪路と排砂路なのです。
見学予定コースにはなかったのですが
ここをどうしても近くで愛でたいとお願いして
近くまで行かせてもらえることになりました。

という事で安心して越流しても大丈夫なようにデフレクターを装備した
シェル構造ローラーゲートの放流を堪能します。

こんな至近距離で小屋平ダムの放流を愛でられるなんて♪
幸せ〜♪

小屋平ダムの文字ご近影。

見学中にトロッコ列車が欅平に向けて走って行きました。
いつもあそこからチラ見えする堤体を必死で撮っているのです。
堤頂からおりて左岸の流雪路と排砂路の傍に移動してきました。

美しいわー♪
ほんとになんて美しいのかしら〜♪
この美しい設備で出し平ダムのライニング材のテストが行われていたのです。
国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる
大ダム Large Dams
(108) の『出し平ダムの設計について』の論文では
排砂路のライニング材についての検討のプロセスが記載されています。
「小屋平ダム排砂路に、SM41、HT80、SUS304および高マンガン鋼(ScMnH-11)の
4種の鋼材からなるライニングを取り付けて摩耗状況を確認した結果
性能と経済性を勘案して出し平ダムの排砂路にはSM41を使用することになった」
そうです。
更に、側面と底部で摩耗の進み方も異なっていたため
底部のライニング材は1.3mm/年
側面のライニング材は0.3mm/年を見込んで設置されているとの事でした。

左岸側は流雪路(1条)と排砂路(2条)だということです。
右側が流雪路で、真ん中と左側が排砂路なのだそうです。
建築家・山口文象氏のこだわりなのか
この曲線美がコンクリート構造物においてたまらない色香♪
実は・・・ここ、見せて頂くのが2回目です。
関西電力北陸支社の支社長の現場視察のお尻にくっつけて頂いての
出し平ダム、黒部川第二発電所工事現場見学の後に
小屋平ダムも少しだけ見せて頂くことができたのです。
2014年に見せて頂いた時はこんな風に水が流れていました。
その見学時には下流側から見えていたトンネル水路も
こんなにたくさん水が出ていました。
一番はっきり見えているのが左岸排砂路からの水で
木々に隠れている二か所は取水口と沈砂池からの水とお聞ききしました。
最後に、土木愛好家なら見た瞬間に鳥肌が立つくらい
ハートを打ち抜かれること間違いなしの神秘的な空間にご案内いただきました。

沈砂池です。
現在、抜水中という事できわめて貴重な姿を見せて頂くことができました。

取水口から続くこちらの沈砂池が凄く巨大で
確実に砂を補足して下流にスルーさせる気満々の物凄い気合いを感じる上に
とにもかくにも美しすぎてメロメロになる。
でも写真はことごとくピンボケ。
しかし、こんなに深さがあるなんて驚きです。
こちらも2014年に見せて頂いた時の写真で数少ないピントが合っている写真です。
発電所に送るために水が滔々と流れていて水深は全くわかりませんでした。

沈砂池のお仕事っぷりを見せてくれるのがこの捕捉されて堆積した
細かなシルト分の多い砂です。
沈砂池は狭い所から勢いよく流れこんできた水が
幅の広いプールにぱっと広がる時に流速が落ちることで
砂を沈殿させて捕捉させる仕組です。
ちゃんと正しく砂を捕まえることと下流に流すルートを持っている。
そのために必要な設備を有して使っていることで
竣工から80年以上たってもしっかり発電を続けられるのです。

仙人谷ダムとそっくり双子の小屋平ダムですが
完全に見えないわけではないけど
ちょっとは見えるので・・・という中途半端ビューのせいで
ちょっと損をしている印象があります。
仙人谷ダムとそっくりさんの双子の兄弟なのに。
知名度は高いわりに仙人谷ダムの方がよくもてはやされているのは
会いに行くのにとても苦労するからかなと思います。
仙人谷ダムは登山する人でないと全景は見られなかったレアなダムです。
日電歩道で滑落の危機を恐れる人でも
安全に会える黒部宇奈月キャニオンルートがで行くのが一番よいと思います。
黒部峡谷鉄道で欅平に向かう時、宇奈月まで下る時、
少しだけ姿を見せてくれる小屋平ダム。
一般の乗降ができない小屋平駅に降りなくてはこの姿を見ることができません。
出し平ダムの排砂路に使用する鋼材の試験が行われた場所。
仙人谷、出し平と同じく砂と戦う装備を備えた素晴らしいダムです。
貴重な見学をさせて頂来ましたが本日はさらにこの後も見学が続きます。
ということで名残惜しい気持ちはありましたが次の見学場所である
黒部川第二発電所に移動となりました。
現場の皆様、ありがとうございました。