川上ダム天端開放 その2


説明板発見。
こちらはダムについての詳しい情報です。


川上ダムのお仕事は伊賀市の水道水確保と洪水調節に加えて
ここでは“流水の正常な機能の維持”で説明されていますが
木津川戦隊ゴレンダムの高山、青蓮寺、比奈知、布目の4ダムと川上ダムで
水の供給をコントロールすることで、ダムの長寿命化を図ることができます。

どういうことかというと、シンプルに今の木津川戦隊ゴレンダムでは水需要に
毎年、余裕のない状況なのです。

ダムには少しずつですが水の流入と一緒に運ばれてくる砂が溜まります。
大規模豪雨災害があると一気に砂の量が増えたりします。
貯水ダムの大敵、堆砂の問題です。

これに対して、たまった砂を掘削して除去する方法がありますが
湖底の砂を除去するのはとても大変です。
天竜川の佐久間ダムのような堆砂対策専用の船団を持っているダムなど
国内にはほとんどありません。

なのでダムに溜まった砂はダム湖水位を下げてバックホウやブルドーザーといった
普通の建機で除去するのが最も効率がよく、コストも少なくて済むのです。

そのためにダムを空にすると供給力が著しく低下しますので
メンテナンスする間、他のダムが協力して必要量を確保することが必要になります。

川上ダムが竣工することで木津川のダムたちがより長く
貯水容量をしっかり確保して働き続けることができるようになるのです。


川上ダムは常用洪水吐1門と非常用洪水吐6門です。
漸縮型堤体導流壁なのでもう試験湛水完了時の越流が
楽しみで楽しみで仕方がないです。


かなり溜まっているように見えますが、貯水池はカクテルグラスと同じく
底が狭く縁が広いのでこれでもまだ2/3くらいです。

あと1000万m3位たまらないと満々になりません。
早く満々になってほしいな…。


川上ダムに着たら必ずチェックする阿保発電所遺構。
ヘッドタンクから水圧鉄管につながっていたポイントがよく見えます。
そしてどうやら網場のアンカーがこの場所に設置された模様。


少しずつ周囲が明るくなってきたので左岸に移動しようと思います。


堤体下流にはガスがまだまだ残っています。
利水放流管から河川維持流量を供給しているせいか
減勢工の上だけもっこもこ。


直下にはまだ行くことができません。
途中にゲートがあるので工事関係の方と機構の方しか入れません。


天端を左岸に向けて進んで行くと、ぴぴっと来るものに遭遇。
ここは選択取水設備の上屋ですが…。
なんちゅーオシャレな外壁♪


建屋の外壁をパンチングメタルで覆っているのです。
なにこれカッコいいっ!!
材料なんだろ?
ステンレス?


波型で剛性アップして軽量化もできるしこれはカッコいい!
すごくいい♪


そして楽しみにしていた漸縮型堤体導流壁見下ろしです。
ほっほー♪


堤高が低いダムでは漸縮型堤体導流壁もかわいい印象になることが多いのですが
さすがにこれだけ高いと迫力が違う。
導流壁自体の高さも高くなるし、すーーーっと伸びていくのがたまらん魅力的。


直下の発電所経由で河川維持流量が補給されているのはとてもよいです。
水資源機構様の管理されているダムのすべてが発電所を併設しているわけではないので。
これから、小水力をどんどん開発して
火力発電所の燃料代を少しでも減らせるようにしていきたい。
塵も積もれば大和撫子。


またまたパンチングメタルで覆われたカッコいい建屋。
こちらはゲート室かな。


表札の類がないので想像。
メタリックでカッコいいから別になくてもいいです。


堤体下流側にゲート室上屋、その向こうにエレベーター棟
貯水池側に選択取水設備上屋のはず。


一番左岸側のこれは何だったっけ?
エレベーターは一か所だったと思うんだけど…。


下流を見ると遠くに陽が当り始めた要石大橋が見えました。
R165からダムを目指して進んで来ると最初に堤体がちらりと見える橋です。


減勢工の上はまだガスっていました。
もう少し気温が上がってきたら消えていきそう。