令和5年 天ヶ瀬ダム その1

2023/6/1 更新

ゴールデンウィーク前に、しとしと雨ふりが続いた令和5年の春。
春先の雨は大事なのですが、その後、空梅雨になっては大変なので
コンスタントに程よい雨が続いてほしいなと思いつつ
晴れた日に、ダムに行きたいなと、出かける前の川の防災情報チェックを
“川防みるやつ”で確認していた時です。


別に夜中からそんなに大雨が降っていたというわけでもないのに
宇治川の守護・天ヶ瀬ダムの貯水位が紫色になっていました。

言い馴れた言葉でいうと但し書き操作開始水位、つまり
異常洪水時防災操作開始水位を超過しているので紫色がついていたのです。

はて?
なんでこんなに水位上げているんやろか?


川の防災情報のダム模式図を見てもこの通り、紫のラインを超過しています。

でも流入量21.85m3/sに対して放流量が16.96m3/s。
これは併設されている関西電力・天ヶ瀬発電所で発電放流で少し吐いているだけかと。


一番上にこんな注意書きがありましたが、だからと言って
但し書き操作開始水位を超過させる理由にならないと思います。


ライブカメラで見ても中々のお水満々で幸せ水位です。
コンジットゲート3門の真ん中の制水ゲートだけ残して
左右が下がっているのはなんで??。


ちょっと古い写真ですが、いつもはこんな感じ。
制水ゲートの定位置はここ。


気象庁のサイトで天気図を確認しましたが
ドカ降りしそうな気配はありません。
予報でも九州で強めの雨が降るかもというくらいの注意喚起でした。
後は北日本で大気が不安定になるかもという予報。
近畿は特に何も言われていません。

なのでこの水位でも心配ないだろうと。

天ヶ瀬発電所はダム直下の宇治川に河川維持流量を常時供給できますし。
発電所の能力としては最大取水量186.14m3/sまで可能なので
普通の降雨なら、発電だけでも余裕でさばけます。

この数字は昔、発電所見学をした時に見た水利使用標識の数字なので
トンネル式洪水吐が完成してから変更になっていたら違っているかもしれません。

ですが、発電所のスペックとしてこれだけの能力がある事は変わらないかと。


しかしなんでこんなに高い水位を維持しているのかと気になったので
水文水質データベースで見てみたら、4月だけで9割水位到達が2回ありました。
但し書き操作開始水位は8割水位ですから何回も超過していたことになります。

◆ ◆


ということで気になったのでやってきました。


堤体に水位痕跡。
先日の9割水位の痕跡かと思われます。
しかし水位高いな。


天ケ瀬発電所取水口の方にも行ってみました。
ホントにこんな水面が近い時に来たことないから
不思議な光景。


県道との間の階段の途中から見たダム湖。
裸地がないって素敵。
幸せ水位。

でも洪水期に向けてこの後、どんどん水位下げなくてはならないのが
洪水調節を仕事に持つダムの宿命。


もし、クレストゲート放流のイベントをするのだとしても
ここまで水位上げる必要はないはず。
フラッシュポート開けるというならもう少し水位上げねばだけど。
そういう運用はしないと思うし。

・・・。
実は知らない間にこっそりフラッシュボード開いていたとか?
ないない。それはない。


この日は風がそこそこ吹いていて
上流からごみが次々とかなりの速さで流れつくのも目につきました。
風の向きでそうなるのか全部、堤体左岸の隅に集まります。


上流からの写真を撮って戻ってきました。
草刈りしてほしいなと思っている天ヶ瀬ダム建設記念碑。


建設に従事した方のお名前の他に、天ヶ瀬ダムについて
記されたこんな碑文がありますので草刈お願いします。


建設記念碑はこの場所です。
公衆トイレの奥です。


新緑眩しい晴れた日に、いつも美しい天ヶ瀬ダム。
下流からはいつもより貯水位がとても高いことについての情報は
何一つ見出せません。