立野ダム建設現場 見学 その6

転ばないように頭を打たないように気をつけてといわれているのに
ヘルメット被っていてちっとも痛くないので
学習しないまま何度も頭をぶつけつつ上がってきたブロックで
目の前にバケットの影が!

ぷしーーーーっ
というバケット底の開閉を調整するためのコンプレッサーの音?が
コンクリートお届け中、ずっと続いていました。
予想に反してコンクリートが落ちて積み重なっていく音というのは
全然聞こえなかったのです。
しっとりしているからなんだろうか?
凄い音がするかと思っていたので逆に驚きました。

そしてバケットが上がるや否やバイバックがぐっさり。

あっという間に良いコンクリートになるようにおまじないがかかりました。

うふふふっ。
どう?
美しいでしょっ?
ドヤ顔のバイバックというわけではないですが。

驚いたのはこの状態ですたすたっと作業しておられる方が
上に歩いて行った様子でした。
ずぼっと沈むのかと思ったら全然沈まない。
こんなにしっかりしているんだと吃驚仰天。

近づいていいギリギリまで進んで上空を見上げると
もう次の便が来ていました。

はやいはやい!
トランスファーカー一生懸命往復しているに違いない。

他のブロックを見下ろしたところです。
拡張レヤ工法だったらこんな風に堤体の上流側と下流側で
ブロックの高さが変わることはないので。
縦継目と横継目のある柱状ブロック工法ならではの風景。

最後に見せて頂いたのは
なんと打設面清掃現場です。

先行ブロックの途中で色が変わっているラインがあります。
次に打設されるのはこの高さまでです。
なのでこの高さまでをピッカピカに磨き上げているのです。

これはジョイントグラウトの肝になる部分らしいです。
グラウトのバルブ。

こんな風に使うようです。
先行打設されたブロックからこの状態で顔を出していて
新しいコンクリートが横に打たれたらコンクリート内にこれは埋もれます。
その後、コンクリートが固まって冷えると体積が小さくなります。
その時にブロックの間に隙間ができます。
その隙間ができるところにこのグラウト注入のバルブから
セメントをちゅーっと入れてブロックとブロックをがっちりつなぐという技術なのだとか。
面白い。
とても面白い♪

クーリングパイプです。
発熱するセメントを冷やすために重要です。
セメント量が多いほど発熱するので。
RCD工法のようなセメントの少ない貧配合と違って
セメントたくさんの豪華なコンクリートなので
きっちり冷やさねば♪

手作業でコンクリートを磨く皆様。
話には聞いていましたが
ホントにコンクリートって手間暇かけて造られることにもう吃驚。
最高のブレンドで素材をねりねりして
速やかに現場に運んでバイブレーション掛けて
精密に温度管理してゆっくりしっかり固めて
浮いてきたレイタンス除去してグリーンカットして
最後にこんなに磨き上げて次のコンクリートを待つなんて。

ポリッシャーでも磨かれている!
ここまで美しく清掃するんだ!
台形CSGダムを手がけたダムエンジニアの方から
「コンクリートは高級フランス料理 CSGは浜料理」
という説明を頂いていたのですが
この現場を見て、ほんとにその通りだ
ホントに良いコンクリートでダム造るって
大変すぎる手間暇かけているんだ
と、心の底から思いました。

そして対岸からくねくねを愛でていた作業道路。
15%勾配の表記にぶぶぶっと噴き出していたら
「ダム屋に道路造らせるとこうなります」
と、いう声が隣から聞こえてきて腹筋が痛い。

仮排水トンネルの吐口です。
黒川と白川の水がブレンドされて届いています。
流水型ダムとして竣工したらこういう流れが堤体から出てくるわけです。

国内の重力式ダムではもうほとんど選ばれなくなった柱状工法。
アーチダムを造ることができる場所がもう川辺川以外には残っていなくて
川辺川は計画変更されて重力式の流水型ダムになるらしいのです。
あっという間に堤体を立ち上げられる面状工法にコスト面では絶対にかなわなくて
低い位置に相当たくさんのゲートを設けるような複雑な構造のダムでもない限り
柱状ブロック工法は選択されることがなくなってしまいました。
でもこうして技術継承がなされていました。
国内でほぼ20年ぶりとなるアーチダムと同じ三次元応力解析を用いて設計された立野ダム。
もしかしたら
国内で柱状ブロック工法を間近で見ることができる最後のダムになるかもしれません。
COVID-19が落ち付き、見学会が再開されたら
是非この貴重な現場を目に焼き付けるために
たくさんのダムファンの方に来てほしい立野ダムでした。
おまけ
現場で偶然見えた物

黒川第一発電所のサイレン吹鳴看板ですが
綺麗に裏向きに設置されていて
ガードレールがこちら側にあるので
元々は逆向きだったのか
今は表に何か書いてあるのか
リサイクルなのか
とてもとても気になったのでした。