令和2年の豊稔池 その1
2020/7/21 更新
香川県の豊稔池にやってきました。
突然思い立ってやってきたのですが
訪問前にお世話になっている川崎秀明先生と
サイホン型余水吐について色々情報交換していたので
頭の中に豊稔池の事がかなりぐるぐるしていたのです。
雨上がりの朝で。
お水は満々です。
越流頂のアーチと同じ形に巻き立てられた補強部分のコンクリートが
水面下にゆらゆらしながら見えています。
これだけ溜まっていたらサイホンから水出ないのかな〜と
下流が見える方に回ってみると
右岸から
ぱしゃぱしゃ
ち・ち・ち・ち
ちーーーっ
さらさら
というくらいの出で水が流れ出ていました。
豊稔池のサイホンは
どこから水が出るかはその時次第で
大変気ままと聞いていたが…
ホントに気ままだ…
と、確認。
一番左岸よりのここからは水は出ていません。
さらさらと出ている吐口です。
有名なゆるぬきでは豪快に水が飛び出すところですが。
堤体の直下の広場の方に移動してきました。
豊稔池には何度か来ていますが
画素数が低いカメラの時代の写真が多いので
説明板、全部とりなおしておこうと撮影開始。
改修工事後の標準横断面図…
上下流方向を軸にすると横で
左右岸を軸にすると縦断面図なのか。
あー
継ぎ目と同じか。
横継ぎ目と縦継ぎ目で考えると一致したので
現場で一人納得。
ここで嬉しいのはちゃんと“バットレス”の文字が入っている事。
豊稔池は日本で現存する唯一のマルチプルアーチダムです。
ローダムを含めるともう一例ありましたがそれは
現在は撤去されて部分的にしか残っていない神戸堰です。
マルチプルアーチはバットレスダムの一種です。
何故か『ダム便覧』や『多目的ダムの建設』において
マルチプルアーチダムの中に宮城県の大倉ダムが入っているのですが
大倉ダムはバットレスダムと設計思想が全くの別物です。
大倉ダムは日本で唯一のダブルアーチダムなのです。
唯一の!!
めっちゃカッコいいダブルアーチダムなんですっ!!
バットレスダムやマルチプルアーチとは全く別物です。
国内のバットレスダム全部見てきた者として
素人ですがそれは断言しちゃいます。