豊郷小学校 見学 その4

廊下も教室も3m以上の高さの天井です。
表から見る印象と全くかけ離れています。


壊されてしまった窓に貼り付けられた青いボード。
雨が降っていたということで降り込まないように応急処置をしたそうです。
風も強かったという事でたくさんの机で押さえがして在りました。


教室側には真東から昇ったばかりの朝日が満ちていました。


一階に戻ります。
教室を見せて頂きました。


終業式の当日もかなり混乱があったようです。

生徒はまだここに戻ってくるつもりで黒板に色々な
落書きを残していました。

掃除道具入れもスチール製のロッカーなどでなく
立派な木製の扉のついた部屋と一体物でした。

丸い紙に書かれてくるくる回る日直当番表。
窓の下には鞄を入れるロッカー。
小さな机と椅子。


撤去される覚悟を決めていた子供も居たと思います。
校内には既に仮設校舎が建っていました。
講堂には入れないように鍵がかけられ封鎖されていました。
校庭にも工事のフェンスが張り巡らされて周囲からの
圧迫感は凄いものがあります。

周囲の大人の気持が上滑りしてもし子供たちの間に
亀裂が入ってしまったら..。
賛成派の親をもつ子供も反対派の親を持つ子供も居たと思います。

せめて大人は粛々と、子供が学び舎を思う気持と快適な校舎が
できるかもしれないというわくわくした気持の両方を汲んで
折衷案を進めるべきだったのだと思います。

それを提示していたのにも関わらず無視されて解体工事を強行されたと
ここに残っている保存会の人は仰っていました。


私が尋ねます。

「文化財登録制度をご存知ですか。文化庁はなんと答えていますか?」

保存会の方が答えます。

「町長は“僕はこの建物に文化財としての価値は無いと思っている”
の一点張りで登録もして貰えないんです。潰すつもりしかないんです。
どんな話し合いも受け付けてもらえません。」

町の管理する学校という建物。
校長は終業式の終わる時間まで管理責任者でしたが
正午過ぎにその権限を失いました。
終業式で校長は子供たちに現状を説明したそうです。

「裁判所から工事を中止するようにという命令が出ました。
先生は三学期もこの校舎で勉強できたらよいと思います。」

終業式の昼下がり、この建物を管理するのは町という行政に代わりました。

そして校内に入る事をガードマンなどに静止されて行動できなかった
保存会の人たちが立ち入るきっかけになったのが撤去作業の開始の物音でした。

裁判所が解体差し止めと仮処分を出していたので一安心していた
保存会の人たちが校内で作業員をとめようとして必死になっていた時に
保存活動家の方が負傷されました。

奇しくもこの映像が大々的にTVに流れ豊郷小学校問題は地方ニュースから
全国的にニュースになり注目を集める事になりました。