矢作ダムのD155W その2


横できびきびダンプに土砂を積みこんでいるバックホウ。
この土砂は前日までにD155Wが引き揚げてきた土砂なのかな。
貯水位が下がって顔を出していた土砂なのかな。


ブレードとバケット動作確認。
ぱくぱく。


リッパーを上げ下げして動作確認。


では行きまーす♪


オペレーターの方も何度も進入路を確認して
位置決めに3分以上、前進後退を繰り返してついに進入路決定。
ぱかっとお口が開きました。


波もあまり経てずに静かにすぅーっと水中へ。
もっと豪快なのかと思っていたら全然違って静かでした。


そして作業開始。
集めるよっ♪
集めるよっ♪
たまった砂集めるよっ♪


陸上でもプルドーザーの土砂運搬・移動能力ってすごいわけで
それが水中で同じようにできるって素晴らしくて
一度に運べる量が半端ない。


こんな感じでものすごい量を一気に湖底から運び出してくれるのです。


別の角度からも見てみようとさらに上流に移動しました。
右岸の山には陽が当り始めていますが貯水池と左岸はまだ日陰です。


水を得た魚、ならぬ水に入るブル。


きびきびお仕事。
朝の早くから大忙し。
バックホウはD155Wより早くからガンガン作業していました。

水中に進んでは砂を掴んで陸に揚げ
休むことなく動き回るD155Wがほんとに楽しそうに見えて仕方がない。


大野公園の前に道路沿いに立てられていたわかりやすいイラスト付作業説明板。

ダム湖の水位が下がっていることで顔を出している部分の湖底に溜まった砂は
通常の建機でざくざく取り除いていきます。

そして貯水位が下がっていてもまだ水中にある部分の砂については
D155Wが頑張って陸に揚げてくれるということ。


オペレーターさんのイラスト。
被っているヘルメットは青木あすなろ建設様のではなくて
この工事を請け負っている板垣建設様のものですね。


D155Wはあちこちにレンタルされるのです。
国内に5台ですがあちこちの現場で頑張っているのです。


しかし、凄くこだわりのイラストですね。
描きたかったのか…どうしてもここまで描きたかったのか…。


この日撮った写真の中で一番のお気に入りはこの一枚。

すごく楽しそうにお仕事頑張っているように見えた建機達の写真です。

絵本「のっぽのスイブル155」のあとがきには

“D155Wは1970年代からぜんぶで36台作られましたが
2011年まで残っていたのはたったの5台だけでした”

“そのうちの青木あすなろ建設株式会社が大切に使っていた1台を
いったんコマツの大阪工場に引き取り、大きな修理を施したものです”

“残っていた設計図から、車体の部品をすべて新しく作りなおし、
エンジンもバラバラにしててってい的に整備してほぼ新品にしました”

と記されています。

東日本大震災をきっかけに復活した機体は
紀伊半島大水害の後の熊野川河口でも活躍しましたし
淀川水系木津川の室生ダムでも堆砂対策で頑張りましたし
立野ダム仮排水路工事現場では熊本地震で一杯落ちてきた転石の除去を
頑張ってくれましたし、もう全国で大活躍なのです。

ここで見られた一番身軽できびきび動く標準型以外に
バックホウ搭載型とクレーン搭載型もいます。
それぞれが必要とされる現場に出動しています。

ダムの浅水域の堆砂対策工事にはものすごく適した機体です。
なのでまた別のダムでも活躍しているところが見られるかな♪

と、寒さにがたがた震えつつ、気持ちがとても温かくなった
D155Wのお仕事風景でした。