矢作ダムのD155W その1

2022/3/11 更新


厳冬期の矢作ダムにやってきました。


貯水位はどうかな〜と上流側を覗き込むとめっちゃ低い!!
えええええ。
いくら冬とはいえとても哀しい、しくしく水位。


右岸にある艇庫の横の量水標で現在水位を確認しようとしましたが…。


水位標の一番下よりずっと水面が低かった…。
発電用の取水塔の量水標はどこにつけてあるのか見つけられず。

川の防災情報で確認したところEL281.42mで
貯水容量の4割以下になってました。

春先まで少雨かもなのでこれからじりじり回復してほしいです。


貯水池上流端を目指して移動します。

矢作ダムのある矢作川にはたくさんの中部電力様の発電所があります。
矢作ダム建設に伴って廃止された発電所もあります。

この和戸発電所跡(対岸の湖中)や上部水槽が残る串原発電所跡など
どんな規模の発電所であったかの説明板もあります。

ふと思ったのは現在試験湛水中の水資源機構の川上ダム。
川上ダムの湖底にも中部電力様の阿保発電所が沈んでいます。
同じような発電所の歴史を教えてくれる説明板が立ってほしいな…と
思ってこの説明板をみていました。


どんどん上流に進んで大野公園というところに来ました。
ここのパーキングに車を止めます。

矢作川の右岸側なので岐阜県恵那市。
左岸側は愛知県豊田市です。


矢作ダム管理所様より大野地区環境整備事業の説明看板。
魚釣りもできるようです。


そして貯水位がとても低いこの時期
矢作ダムでは堆砂対策として土砂の撤去をしていました。

全国的に非洪水期はダムのメンテナンス時期。
堤体のゲートの補修や貯水池の堆砂対策工事。
水位が低いときにしかできないこといっぱいあるので。


山の向こうの太陽がまだ見えない時間。
足もとの土も冷え切って霜で覆われて白白している時間。
貯水池のほうから上がる煙が見えました。

耳に届くエンジン音。

間違いない。


たたたたっと道路沿いを見通しの良いところはないかと探して移動中
木々の枝の向こうに見えたのは“のっぽのスイブル”です。

コマツのD155W 水陸両用ブルドーザー。

あちこちの現場で頑張っているのは耳にしていましたが
なかなか作業中の現場を見ることができませんでした。

しかし令和4年の1月中旬、岐阜新聞web版で
矢作ダムで堆砂対策でお仕事するという記事が掲載されており
大喜びでやってきたのです。


見えるところないかなと移動して見つけたポイントがここ。
大野橋という橋の上です。
わずかに切れた木々の枝の合間からD155W見えた♪


きゃー!!
きゃー!!
きゃー!!

アイドリング中だーっ♪

2台いるー♪

D155W-1標準型2台だーっ♪


オペレーターさんが運行前点検しているに違いなーい♪


ながーいながーい排気筒。
これがあるから水深7mまで作業できるのです。

深い所だったら作業台船が入ってグラブ浚渫
深さによってはバックホウ台船などもできますが
陸地ぎりぎりの浅水域、ここが曲者でこの部分に手をつけるのは
矢板で工区を区切って抜水してから掘削する手法など
手間暇コストも莫大なものになりがちです。

基本的に通常の建機で陸上掘削が一番コストがかからないはず。
でもいくらスーパーロングアームのバックホウや
テレスコピック・クラムシェルとかを使ってもバケットの容量を考えると
万m3単位の砂と戦うのは非効率。

その一番厄介な浅水域で活躍できるのがD155W。
土砂が堆積したところに進入路だけ作れたら
そのまま水に入ってどんどん砂を運び出してくれるので♪


D155Wは人が乗り込んで運転するのではなくリモコン操作で作業します。
オペレーターの方は陸から見守りつつ操作なのです。