柵原鉱山 初秋 1
硫化鉄鉱の生産・東洋一といわれた柵原鉱山
鉱山巡りを初めてすぐの頃から何度も訪れていた柵原鉱山の遺構が
先日撤去されたらしいとお知らせを受けたのは2004年の8月末。
鉱山のシンボル・竪坑櫓の麓に巨大な選鉱場があり
列車への積み込みが行われていた鉱山鉄道の駅舎が残っていた柵原鉱山。
建物の老朽化に伴う安全管理上の対策として行われた撤去工事。
工事の後、訪れた方々が撮影された写真を見て愕然とし
中々足を向けられなかった柵原鉱山。
秋の風が吹く頃に
ススキが綺麗に穂をなびかせる頃に
心を決めて訪れました。
真っ青な空の下、吉井川をさかのぼって柵原にたどり着きました。
視界に竪坑櫓が飛び込んできます。
吉井川右岸の市街にはもうひとつの竪坑櫓が残っています。
町をゆっくり歩けばたくさんの遺構がまだ残っている事でしょう。
弁柄工業の文字を見ながら何度も通った道をゆっくりすすみます。
路肩のスペースに車を入れました。
駅舎が残っていた頃にはもっと暗かったこの場所に光がさんさんと降り注いでいます。
今まではこの場所から見ることが出来なかった選鉱場の奥の坑道入り口が見えています。
前に訪れたのは2003年の6月でした。
その時にはまだ建物は残っていました。
片上鉄道の駅舎も20連ホッパーの残る選鉱場も。
今、目の前にあるのはその土台だけでした。