大谷鉱山見学 その2

寒風吹きすさぶ中、お孫さんを連れてお散歩の老婦人がやってきました。

「すいません。ちょっとお伺いしたいんですが。」
「はい、何でしょう?」
「この建物は鉱山の関係の建物ですか?」
「あ、そうです。そうです。大谷鉱山の建物ですよ。」

やった!大当たり!

「この場所は元々カンカン場だったんです。」
「あ!そうなんですか。」
「このあたりに遮断機があったんですよ。」

私が車を停めた道路が広くなっている辺りを示されます。

「その建物は診療所と購買部でね。奥が診療所でした。」
「あ、この格子の入っている方が購買部でしたか。」
「今は面影ないですけどね。」

この建物のある交差点の周囲には木造の建物がいくつか残っています。
それぞれが何であったか老婦人は詳しく教えてくださいました。


「この立派な建物は事務所ですか?」
「いえ、鉱山長さんのお宅だったんです。」
「鉱山長さんっっっ!」


「あ、あの出窓がさいこーにカッコ良いですねっ(興奮)」
「そうですか?(苦笑)」
「悪さしませんから後でちょっとお近づきになるのを見逃してくださいませんかっ」
「別に良いんじゃないですか(笑)」


「こちらはなんですか?」
「重役さんたちの社宅です。」

鉱山長邸の横にある建物も社宅でした。


裏を見ると雨戸がぴったりと閉じられていました。
荒されたりはしていません。
周辺は住宅が沢山ありますから狼藉者は来ていないようです。


裏の畑の方から見ると良い枝ぶりの柿の木が綺麗な影を作っていました。