中竜鉱山見学 その1

新聞をぼんやり読んでいてふと目にとまった小さな広告がありました。
「アドベンチャーランド中竜」という施設の広告でした。
「地底探検」「中竜マイン号」という怪しげな文字が並んでいます。
カットとして山の断面図と坑道が画かれていました。

一体これはなんなのだろうと所在地を確認した所、福井県大野郡和泉村でした。
地図を引っ張り出して探すと、以前、3日間林道三昧・4WDで走れるだけ走ろう
という大暴れの企画で行った山の近くで、九頭竜湖のそばでした。行った事のある
場所に近いので風景が頭に浮かびます。

地底探検......。

怪しげなフレーズに惹かれ、次の休みはこれに決定! 
という勢いで事前勉強もそこそこに見学に至った中竜鉱山でした。


私はいつも早朝か夜中に出発します。
楽しみにしていた出発日、近畿地方には台風が来ておりました。
普通はでるのをためらうであろう豪雨の間隙を縫って車に飛び込んだのが
夜中の2時でした。増水して決壊しそうになっている川を眺め、所要幹線道路
に出ると、道路も川になっています。車がまばらに通るたび凄まじい水しぶき
があがる様は、船の往来のごとく楽しげでした。赤信号でも大型車は止まらず
そのまま行ってしまいます。ゴミペールがぷかぷか流れていきます。
無法地帯の交差点をかいくぐって高速道路を目指しました。

川と化した道路を時速60kmの、のんびり運転で走りつづけ朝日があがる頃には
「白鳥ループ」の下に来ていました。岐阜県郡上郡白鳥町。国道156号と福井方面
に向かう国道158号の交差点です。
この交差点を「大野」方面に行くと「白鳥ループ」があります。名前の通り一回転して
います。高低差があるとはいえ...。大変印象深い道路です。
現在は高速で迂回できるので遠方から来る人は存在を知らないかもしれません。

国道158号に入って延々走り続けます。冬の間は無人になる集落も多い豪雪地帯
ですが今はひたすら雨・雨・雨。ラジオをつけると台風は太平洋側を進んでいるとの
事で、現場に近づくにつれ晴れ間が出てきたのはよい事でした。

九頭竜湖を抜け、道の駅でトイレ休憩です。この道の駅「九頭竜」はこの方面に来た
時にはよくお世話になります。


少し進むとぽつんと立っている看板を発見しました。看板のとおりに進んでいくと川沿い
にそれらしい施設が現れます。ただ、注意していないと見逃しそうな田舎の光景。
現在はどうかわかりませんが私が行った時は台風来ていたからかもしれませんが
私以外には誰もいない閑散とした広い駐車場光景でした。

このアドベンチャーワールド中竜鉱山は坑道を車で出入りする近代型です。
観光気分だけではなく、坑道の狭さや諸条件からトロッコ列車を坑道内観光に使用している
テーマパークはありますが、私が行った中では車で侵入できるのはここだけです。

と、いっても、自家用車では入れるわけではありません。「中竜マイン号」ではいるのです。
マイクロバスなのですが....。定時運行しているので雨上がりの誰もいない発車場で
私は延々まっていました。早く到着しすぎたのです。渋滞を避けて早朝発進したあおりは
こういうところでロスタイムを作ります。防寒具にくるまりつつ、うとうとしていると職員の
方々がちらほらと現れました。

私以外誰もいないので一番前のバスガイド席に座りました。バスが発進し、この発車場から
少し離れた本山坑道に移動します。巨大な鉱山施設の下をくぐっていきなり「中竜マイン号」
は地底に突入しました。

「うわぁぁぁぁ♪」気分はインディジョーンズかレイダースです。
「中竜マイン号」乗車の際は絶対に先頭に乗る事をお薦めします。
                 ・・・・・・自分の車でここに侵入できたらどれだけ楽しいかなぁぁ

ちなみに一般車両で進入は絶対できません。坑道内では対向できない事、緊急通路が
ほかに無い事、普通に考えたら当然です。ただ、自分の車で侵入したいという誘惑は
かなり強いものがあります。

ほどなく地底に到達します。中はとにかく広いです。ウドが栽培されていました。
近代鉱山なので狭い感じがまったくありません。観光坑道になっている範囲はとにかく広々
しています。所々に展示されているモータグレーダなどの特殊車両もとにかく大きい!

そして嬉しかったのが、とにかく大量の鉱石を売っている事でした。
世界中の名の売れた石をごろごろ売っています。都会の百貨店でかけらが3000円もする
ラブラドライトが50g以上のブロックで籠にどかどか入っていて一個500円。
感涙に咽びながら大量購入してしまいました。何の変哲もないカット水晶に混じってファントム
クォーツが同じく安価で売られていたときは、周囲を思わず見回してしまいました。

そして鉱山施設の方にチャレンジするべく、2002年4月に再び出かけてきました。