MIKOBATA ore dressing plants
桜
大屋根の前に広がる桜を見ることが出来たのは今年が最後
撤去工事は着々と進んでいる
来年は桜の向こうに何が見えるのか
フロア一杯のウィルフレーテーブルはまだ今は大屋根の下にあり
選鉱場の中にはまだ機械油の匂いが残っている
撤去作業のために大きく開けられた穴から風が吹き込んで
仕事を終えた17年前の気配を少しずつ消していく
来年の春にこの大屋根はないけれど
ここにあった栄光をたたえるように来年もまた桜が咲く
今年の桜はことさらに寂しく
一人で
一人で見る桜だった