春日鉱山 美束坑見学 その1

日本は資源の種類は多いが量が少ない。
博物館のようだと表現された事もあるそうです。

殆どの鉱物を輸入に頼っている中、輸入に頼らずに
国内資源で生産可能なものが石灰です。

日本有数の石灰の産地である美濃地方。
春日鉱山はそんな土地で石灰の原料になるドロマイトを
採掘していた鉱山です。


春日村への道を地名だけを頼りにうろつきます。
道路の拡幅工事の交互通行区間で丁度車を停めました。

「あ...。見っけ。」


交互通行区間の丁度真中。
拡幅工事の工事現場横に廃工場。


ベルトコンベアとサイロ。絶対これに違いない。
あちこちで鉱山施設を見てきた勘だけで根拠は無いのですが。

工事区間を行過ぎて200mほど離れた場所に車を停めて
徒歩で引き返してきました。

「おはようございます。道路の拡幅工事ですか?」
「はい。」
「ちょっとこの先に入らせて欲しいんですが通っても宜しいですか?」
「あ、はい。いいですよ。」

基本的に工事の邪魔をしないのならかまわないと
仕事熱心な工事現場の方の簡素な応対。
そして私は工事現場を横切って施設に入りました。


この工場の真中には水路が出来ていました。
元々沢筋だったようで奥を覗くと砂防ダムが見えます。

建物も見たいけれど足元に散らばる白い鉱石が
私の目をひいて仕方ありません。
そこら中に落ちている白色繊維もきらきらしい珪灰石♪
陽射しに粒粒が眩しい雪花石膏♪
ホテルの柱で見られそうな模様の大理石♪
かけらとはいえあまりに綺麗な石の誘惑にくらくらしてしまいます。


どうやらここは掘り出した鉱石を適当な大きさに粉砕して
運び出す為の工場のようです。炉が在りません。


建物の間から上を見るとかなり痛んでいる様子が見て取れます。