宇多良炭鉱見学 その1

空港からバスに乗り換え、港に移動。
西表島までは40分余りの船旅です。

船に乗り込み、湾の外に出てすぐでした。
家族の顔色が白くなってきたのです。

夜雀:「大丈夫?」
兄弟:「もしかして船の経験値が低いのかもしれない。」
夜雀:「外見てたら良いよ。いつ落ちるのか解るから。」
兄弟:「これってどのくらいの波?」
夜雀:「たいした事ないんとちゃうかな。4mくらいやろ。」

私のアドバイスは結局、対して役に立ちませんでした。
 


(翌日知ったのですが、当日の波の高さは7mだったそうです。あわわわ。)

西表島に到着するなり屍のような顔色の家族をトイレに送り出し
まったく船酔いしなかった自分はホテルの送迎バスを前に運転手の方とお話していました。

「炭鉱跡に行きたいんですがー」
「炭鉱?宇多良炭鉱ですか?」
「そーです。それそれ。ホテルから歩いていけますよね。」
「行けますけど今日はちょっと大変ですよ。」
「今のところ、お天気は良いみたいですけど?」
「いや、マラソンがあるからね。」

そこにホテルの方がお一人来られ、運転手さんに送迎のお客様の到着便について連絡をされました。
その方に運転手さんが私が炭鉱に行きたいといっているのをお話してくださいました。

「行けない事はないと思いますが今日はこの島の一番大きなイベントで
道路が規制されていますので。」
「今、伺いました。マラソンがあるとか。」
「そうなんです。」
「ではホテルについてから時間を見て検討しますね。」
と、答えたものの、もう行く気満々でした。

家族が船酔いからやや回復したのでバスに乗り込みます。
「さっきの方、このホテルの総支配人さんです。」
「えーっ。そ、そうだったんですか。」
ホテルの総支配人さんだったとは露知らず...
怪しい客と思われたらどうしよう。

       ◆

バスはのんびり道路を進みます。
西表島の道路は島の東側にしかありません。
西側は陸路が無く、船でしかアクセスできません。

その主要道路は当日、島の一年で一番大きなイベント
『やまねこマラソン』で規制されていたのです。
2月とはいえ気温20度。湿度も高い西表島。
凄いたくさんの方が道路を走っておられます。
そして沿道に島の方がたくさんでてきて応援しています。

バスの中から私もランナーの方に手を振ってしまいました。

写真に収められなかったのですがホテルの近くの街路樹が
やまねこの形に刈り込まれているのがとても可愛らしく
ホテルまでの道行きも、うきうきらんらんでした。

       ◆◆


これが今回宿泊するホテル、『南西楽園ニラカナイ』♪とっても綺麗です。

ホテルについてロビーに家族を休ませると
フロントの横のレジャーデスクに突撃。

「宇多良炭鉱に行きたいです。歩いていけますか?」
「ここから歩いてだとかなりかかりますよ。」
レジャー担当の方は地元の手書き案内地図を見せてくださいました。
「ハブでますぅ?」
「これだけ暖かいですから活動期では在りますね。」
「では気をつけていきますね。場所はこの先の浦内川の
横の道をずっと登っていったら着くんですよね。」

「はい。そうです。浦内川に大きな橋がかかっています。
その手前に駐車場があって、そこから歩いて30分くらいでしょうか。」
「ほぅほぅ。登り道ですか?」
「いいえ、殆ど平らですよ。」
「ではマラソンで道路規制もあるようですし、レンタサイクルをお借りします。」
「はい。すぐご用意します。」

「あ、それと明日なんですが内離島の炭鉱跡も見たいんです。
白浜という港に行けば船が出ているんですか。」

「あ、内離は定期船はありません。無人ですので。
ツアーが在りますのでそれで渡って頂く事になりますね。」
「内離島だけでいいんですがツアーだと離脱できないですね。
途中下船で帰りに拾ってもらうというのはないでしょうか?」

「確認させていただきます。後でお部屋の方にご連絡差し上げますね。」

「ありがとうございます。すみませんが家族が船酔いでして。
もしお部屋の準備が良かったら先にチェックインさせてもらえませんか。」

「はい。大丈夫ですよ。すぐご案内いたします。」

お部屋に入って吃驚仰天!

「こ、この部屋でホンマに間違いないんやろね?」
「窓際のベッドが天蓋付や!お姫様ベッドやないか!」
「めちゃくちゃ綺麗やん。海見えてるしこのベランダのベッドで寝たいー。」

凄く綺麗なお部屋でした。海を見ながら一服していると電話がかかってきました。
レジャー担当の方が私の希望を聞いて内離島に渡るための 観光ツアーを
詳しく問い合わせてくださいましたが現在、内離島に渡るためには
ツアー以外の手段はやはり無いとの事。
安全の事もあるので島に客を置いていく事はできないとのお返事でした。

そしていきなり 家族を放置して活動開始です。