犬島見学 その1

長崎県の端島に行ってみたい人は世の中に相当数居ると信じています。
産業遺構や廃建築、鉱山施設や巨大建造物に興味が無くても軍艦島は
特別な場所です。それは日本の鉱山史だけでなく工業史に残る建築物で
島ひとつが会社であり、町でもありました。

長崎県は遠いなぁ...。機動力はそこそこあると自負している私ですが、
実はまだ九州には行った事がないのです。近くに軍艦島ないかなぁ..。

そして見つけたのが四阪島と直島と犬島でした。
瀬戸内海にも軍艦島があったのです!!

長崎の軍艦島のように瀬戸内海にも海上鉱山施設が多数ありました。
理由は煙害です。足尾銅山の例をとってみるまでもなく、銅などの精錬で
は有害な煙で動物も植物も何らかの影響を受けます。
現在はそんな事はありませんが明治の頃には技術不足で仕方なかった
事です。その為に離島に施設が作られることに成りました。

調べてみると、四阪島は住友の精錬所が一部で生きていて現在も社員が
定期航路で出入りしているそうで住人はなし。釣り客が良く渡っているそう
ですが船は新居浜からしか出ていません。
直島は現役稼動なので施設を見ることは出来ません。

犬島は精錬所の遺構が丸々残っていて島民もいて定期船が運航していて
しかも岡山県です。近い近い近い♪定期船のダイヤと港を調べていきなり
飛び出した朝6時でした。


山陽道を使ってあっという間に岡山です。まったく便利になりました。
備前ICで降りて少し走って岡山ブルーラインへ。邑久ICで降りて
牛窓方面へ。目指す港は宝伝港です。


インターを降りてしばらく走ると青緑色の貯水池がありました。
銅の溶けた色です。凄く綺麗だったのでつい撮ってしまいました。

港への道は対向車がきたら大変困るような狭さです。そんな事には頓着
せず、ひたすら地図のとおりに走ります。しばらくして小さな港につきました。

港に近いパーキングに車を入れます。一日500円。地元老人会の運営です。
「おはようございまぁす!!」赤土も真新しいパーキングは最近まで田んぼ
だったようです。船の時間まで地元のおばあさん達とおしゃべりです。

 
あけぼの丸。港に泊まっている船のオーナー兼操縦者は船着場のまん前の
おうちで、民宿経営をしているようです。でも地元の人はこの船を「郵便船」と
呼んでいます。実際、郵便局員が民宿の前にバイクを停めてすたすたと乗り
込んでいきました。料金は片道200円です。採算取れていないと思います。
港からもう犬島は見えています。精錬所の煙突もぼんやり見えるのです。