徳山村地内 その1
ダム建設に関わるニュースとして何度もTVに登場し
環境保護団体が大騒ぎをして全国的に知名度の上がった
岐阜県の徳山ダムは完成すれば総貯水量6億トンという
巨大ダム湖を有する予定のダムです。
水資源開発公団が計画の認可を受けたのは昭和51年。
ダム予定地に沈む村が在りました。
旧徳山村です。
旧徳山村地に向かう国道417号には現在付け替え工事が行われています。
国道417号は福井県に向かって整備が進んでいます。
ダム建設予定地近くの川原には工事関係者の方々の宿舎や
プラントが建設されていました。
ダムが建設されるのは揖斐川です。伊勢湾へ注ぎ込む揖斐川は
木曽川、長良川と並んで木曽三川と呼ばれています。
岐阜の西の端を福井との県境近くから伊勢湾まで121kmの川です。
揖斐川は既に横山ダムや杉原ダムなど連続してダムを抱えています。
どうしてこんなにダムが必要なのでしょうか。
横山ダムの横を通ってきましたがかなり大きなダムでした。
現在ある横山ダムは国土交通省の管理のダムです。
現在建設中の杉原ダムは中部電力の管理になるものです。
そして、現在、既にある杉原ダム(通称)はイビデンの管理です。
ダム情報についてはこれらのダムのある藤橋村の役場や
横山ダム管理事務所に電話でいろいろ問い合わせをしました。
聞けば聞くほど混乱したダム情報は最後に電話した徳山ダム建設パビリオンの
職員の方の説明で全て納得がいったのです。
(けして皆さんの説明が的外れだったということでなく、私が現地で入手した
パンフレット類の表記と各組織の方々の認識に相違があったというだけの
ことなのですが)
ダムが連続しているという事ですがイビデンが現在持っている杉原ダム(通称)は
杉原堰堤で、発電用のものだったのです。
治水ダムでは無いのでこれを数に入れないとなると、治水能力を有するのは
横山ダムだけということになります。
揖斐川の下流域の濃尾平野西部は、木曽三川が集中する
全国一のゼロメートル地帯だそうです。
揖斐川は、多くの場所で天井川であり、上流部は雨が多く急勾配。
雨で急激に水位が上がって今までに何度も洪水被害にあってきた土地でした。
徳山ダムの完成時期と同時期に完成予定の中部電力の杉原ダム(ややこしいっ!)
のかかわりで徳山ダムの下流でも土地を離れた方の集落があります。
近くで見ると、養蜂業をしていたのか巣箱のようなものがかすかに見えました。
イビデン所有の杉原堰堤(のはず)です。
新しく付け替えられた道からは見えず川原に下りなければ
その姿を確認出来ませんでした。
中部電力が今度建設する杉原ダムは提体高58mの重力式コンクリートダムで
この杉原堰堤とはまったくの別物です。徳山ダムと揚水発電で繋がるものです。