向こう岸は遠く  4


しばらく佇んでいると表に陽の光があふれてきました。
きらきら輝くダム湖の水面の反射光。
建物の窓ガラスで更に反射して複雑に重なり合う光。

吐く息の白さと建物の中の冷気を忘れてしばらく見とれてしまいました。


光が差し込めば機械室の雰囲気はがらりと変わります。


ふわふわと光が漂う天井。
建物の屋上に上がる階段からダム湖は見えるでしょうか。


夏にはきっとこの場所に蝉の声が響いているのではないかと思います。
今は厳冬期。
音が一番少ない時期。
でも一番光が透き通る時期。


窓に近づくとゴンドラに乗っていた小鳥のお客は逃げてしまいました。