経塚を守る村 その12

経塚の近くに在って古くから修験道と縁のある土地でした。

現地で出会ったハンターの方から聞いたところによると
この集落にお住まいだった方も、皆、ふもとの町に
引越しされたという事です。

昔、何日もかけて山を歩くことが修行だった時代に
多くの人が『講』と呼ばれる団体を作り、訪れた場所でした。

今はすっかり草生してしまいました。
信仰が廃れ、街道は寂れました。

この地には今も修験道の方が訪れます。
山間の細い道を山伏姿の方が歩いているのを当日目にしました。
ハイキングで歩いている方もいらっしゃいました。

その人たちは経塚の近くにあるこの集落を知らないのかもしれません。

綺麗に手入れされていたであろう庭の紅葉は巨木になり
それを縫いとめるように竹が進出していました。
瓦の上に乙女椿の花が一杯に散っていました。
この集落に祀られていた寺は形も定かでなくなっていました。

昔、経塚を巡る人達を見守っていた集落はキジの鳴く声が
時折聞こえるだけの場所としてひっそりと静まりかえっていました。