経塚を守る村 その1

大阪府と和歌山県の県境に葛城山という山がふたつあります。
大阪府と奈良県の県境にも葛城山があります。

三つの葛城を区別する為、大阪-和歌山間の葛木を「和泉葛城」
「南葛城」、 大阪-奈良間の葛木を「大和葛城」と呼ぶことが多いです。

修験道の山としての歴史は奈良県の霊峰『大峰山』よりも古く
今も信仰をもって訪れる人が絶えません。

和歌山市、加太の「友が島」に始まり 大阪府柏原市の「亀の瀬」まで
この範囲にある三つの葛城山を含む非常に広い範囲の山地を全て
霊山『葛木』として信仰しているのが 葛木(葛城)修験道です。

『葛木』の峰には「経塚」という物があります。
修験道の開祖・役行者が法華経二十八品を埋め納めた場所です。
葛木には28の経塚があり現在も残っています。
信仰する方は何日もかけてこの経塚を巡ります。

経塚を巡る方々をお迎えする宿坊が葛木の峰には幾つもありました。
地元の村の有力者や、修験道に縁の寺が宿泊所を提供していたとの
文献が残っています。


そんな修験道に縁の深い古い村のひとつの集落が
住む人を失い 山中に残っていると聞きました。