旧・船戸川橋


目的地に到着しました。

旧・船戸川橋
昭和5年に竣工したというコンクリートアーチ橋です。

が・・・

なんと橋の天端ぎりぎりの高さで上下流の水面が。
これはもう少しでも水位が上がったら水没というレベルです。

そして人が集まっている理由は釣りでした。
若い釣り客がたくさん来ていたのです。


何しろ水面がこの高さですから美しいと評されているアーチ型の下部と橋脚が全く見られません。
渇水した時にだけ、水位がとても下がった時にだけしか見られないというのはこういうことだったのかと
現場でかなり読みの甘さを悟りました。

webでいくつか見た写真は完全に姿を見せているところだったので
完全水没か、そこそこ姿を見せているかの二者選択でしか予想していなかったのです。

そしたら、まぁ、なんと
こんなに見事に中途半端な姿に遭遇するとは・・・。

しかも生臭い匂いが周囲に立ち込めています。

この藻で覆われた湖面が上流側です。
こちらから藻の匂いが漂ってきます。

橋がダム湖でいうなら網場の役目をしてしまっているので
上流のゴミやら藻やらが全部ここで堰き止められているようです。


完全に水没した時にこの橋には土も流れ着いてくるのでしょう。
堆積した土から草が芽吹いて青々しています。


橋の上流。

藻で覆われています。
これはやはり橋のせいで流れが悪くなっているせいでしょうか。


まさに境界。

ダムの天端越流ってこんな感じになってそして越流するのかと
色々考えて見入っていました。


そして橋の下流側は吃驚するほど水が澄んでいます。

橋一つ挟んでこんなに水質が変わるのかとまずそれに驚きが。

そして釣りをしている人は皆、この澄んだ湖面に釣り糸を垂れていました。
藻が絡んで困るからか下流側の方が釣れると知っているからなのか不明です。


旧・船戸川橋

1930年に完成した橋です。
1958年に鹿野川ダムが造られてダム湖に水没することになった橋です。

水没するようになって50年目を迎えました。

ダム建設に伴って水没区画にあった道路はダム湖を取り囲む形で移設されました。

コンクリートの堅牢な造りであった為に撤去されなかったのでしょうか。
橋脚の間を水が行き来できるために撤去されなかったのでしょうか。

その美しい姿を間近で愛でることはできませんでしたが
とても興味深く見学ができた水没橋でした。

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