78years 10

園内を二週しました。
歩きつかれてベンチに座りました。
よく晴れた空をぼんやり見上げながらため息が出ます。
ちっとも良い写真が撮れないのです。
遊園地なのだから楽しい姿を撮りたいなと思ってきました。
だけどどうしても撮れないのです。
しばらく考えました。
楽しくないから
寂しいばかりだから
だから楽しい写真が撮れないのだという事に気づきました。

ペガサス広場の横では閉園前の写真展が。
あやめ池遊園地の写真と年表が飾ってありました。
ホワイトボードが設置してあって
毎日訪れる人が自由に書き込んでいけるようにしてありました。
そして毎日のボードの書き込みが写真に撮られて展示されていました。

出口の前には閉園ご挨拶の看板が立てられています。
78年。
それだけの歳を生きていない自分にはその長さが実感できないのです。
又来てください とは書かれていない看板。
遊園地は特別な場所。
非日常の空間。
特別な場所だからずっと在るという事は無く
経営が成り立たなくなれば無くなってしまう
あたりまえの事。
でも、特別な場所だから魔法がかかることって本当に無いんですか?

もうすぐここは遊園地『跡』
78years
思い出を見つめに来る人が
最後の楽しい時を過ごそうとしてくる人が
私が出て来た後にも次々とやってきました。
その人たちの楽しい思い出が一つ増えますように
そう思いながら
私はあやめ池遊園地にサヨナラをいいました。