秩父鉱山見学 その12
社宅の間のアスファルトの道路をゆっくり歩きます。

たくさん家が並んでいるのに
お住まいの方もいらっしゃるのに
誰にも会えないのです。
それほどにこの場所は人を失ってしまいました。
賑やかさはどこかに消えてしまいました。

朽ちてほどけてしまったすだれの庭先に紫陽花が咲いています。
放置されたはずの家に何故か綺麗に草刈がなされているのが
奇妙なのです。

捨てられた鉱山町ではなく、捨てられ行く運命の町。
古い社宅に住む人は少なく、下流にはダム工事の為に
整備された国道が通りました。
秩父市内から通うこともできるようになった今
ここに住もうという人はあまりにも少ないのでしょう。

リサイクル分別収集を促すゴミ捨て場のケージをみても
今の時間がこの場所に達している事は解かるのです。

でも本当にここで時間を過ごす人は少なくなってしまいました。
日本がまだ戦争をしていた頃に日窒鉱業が近代鉱山としての
採掘をはじめた秩父鉱山。現在は石灰を採掘している秩父鉱山です。
小雨の中、あちこちで見てきた鉱山の面影を追い
いつもと同じく、『お疲れ様でした』という気持ちが湧いてきた
秩父鉱山見学でした。
『丹岫寮』の前の階段で日向ぼっこしていたマムシ君です。
ぱっと見てマムシ君と気づかずに恐れ気無く近づいた私は阿呆です。

体温が下がっていたのか動きが緩慢で
ちっとも逃げてくれないので跨ぎました。
私が跨いだ後、階段の下のくぼみに隠れました。
私が階段の上から戻ってくるとまた同じ場所で日向ぼっこしていました。
今の『丹岫寮』の主はきっとこのマムシ君です。