転落注意

2016/9/21 更新


朝の早くから美しいダムを見にやってきました。

ひとりで来たわけではなくて
美しいダムに女性と二人で来ていたのです。
なのでかなり気持ちが舞い上がっていたのだと思います。


ダムも綺麗だけど彼女も綺麗だ〜♪
ああ、美の競演っていいよねぇぇ♪

と、注意力散漫になっていたではないかと
帰宅後指摘されたのですが現場では
そこまで正気を失っていたとは思えません。
ちゃんとダムの写真撮っていましたし。

そして突然
何かが起きたのですが
自分の記憶には全く何も残っておりませんのでよくわからない。

◆ ◆


目を開けたら突然ご一緒していた女性に呼びかけられていた。
(代役:はれるん)


とりあえずカメラの記録を見る限り
これが事故の瞬間と思われる時に撮っていた写真です。


何がどうしたんだと全く事故時の事など思い出せず
起きあがったら頭から血がぼとぼと落ちたという。

何があったんだろうと茫然自失。


なんと岸から河原に転落していたのです。
全く記憶がない。
足を踏み外したらしい。


周囲には血が落ちていてどうもそれが手足とかではなく
自分の頭から出ていると分かり痛さより慌てる方が先。


とりあえず止血しなきゃと帽子を脱いで
肩章に通してある汗拭き用のタオルマフラーで止血。
これは割と迅速に実施したらしい。


普段着用しているジャケットの肩章に通して身につけているのは
お洒落でもなんでもなく手拭いとして使用している
今治のタオルマフラーなのです。
岩淵水門を見学しに行った時に帝都で購入したもの。

ご一緒していただいていた女性にお聞きしたところ
記憶がかなり混乱していて直後から一時間半くらいの間に
落ちた場所やその時の様子を何度もうろうろしながら確認していたそうです。

脳震盪で一時記憶が消失していたようです。
自分の記憶ではその確認作業は一回だけなのですが
カメラは正確に記録してくれていました。
何回も同じ場所の写真が出てきて
最低でも3回は同じ質問して写真記録していたんだなと確認できました。

しかし後で女性の方にお聞きしたところ
ダムに来るまでの道中の会話とかすっかり忘れていたらしいですし
現場確認はなんと5回くらいしていたらしいです。
全く記憶に残っていないことに吃驚。

頭を強く打つとこんなに記憶ってぐちゃぐちゃになるんだなぁと実体験してしまいました。
現在は道筋たてて思い出せていますが事故直後はぐちゃぐちゃだったということ。


骨折がないか確認し
頭を打っているのでこの後の事が心配だから
とりあえず50km圏内にお住まいのダム仲間に電話して
レスキューを依頼しました。

すぐ駆けつけてくれたダム仲間に本当に感謝です。
ご一緒してくれていた命の恩人の女性を駅に送り届ける役目をお願いし
ほっとしてもう一度、自分の意識状態と怪我のレベルをチェックしなおし
病院へ自力で移動しました。

頭部CTの結果、たんこぶと裂傷のみ。
岩のかけらがいくつか頭に刺さっていたので
それを洗い流して傷を縫ってもらいました。

腰と背中は派手に打撲して痛みが強かったのですが
骨折は無くこちらも無事。

◆ ◆

帰宅してから血だらけの衣服などをこっそり洗濯しようとしていたら
家族に見つかり大変怒られました。
熊遭遇の時くらい怒られました。


お世話になっているダム技術者の方に報告したところ
3mの高さだったら死亡例もあるとの事。
建設現場では1m以上は高所と認識しなさいと注意を呼び掛けているとか
現場の事故で一番多いのは転落ですし十分気をつけてくださいと
こちらからも厳重に注意を受けました。

受傷3日目に左半身にそれは見事な内出血班が
どんどん皮膚表面に出現し始めまして左半身がとてもカラフルになりました。

今まであちこちで危険な目にあってきましたが
意識を失うような事態に陥ったことはなかったので
年を考え、ダム見学に関わらず柵やてすりのない場所を歩く時は
十分気をつけようと思ったのでした。

ご一緒してくださった女性に申し訳ない気持ちがいっぱいなので
また機会があればこのダムに匹敵する美しいダムにお連れして差し上げたいな
等と思っております。