三徳稲荷

2017/6/11更新


関西電力様の奈良電力所の構内で鳥居を目にしました。

「わ、でんぱつ様のように電源神社…では無いのですよね」
「はい。三徳稲荷社です」
「さんとくいなり?」
「ご覧になりますか」


お社の近くまで通していただきました。

「こちらの土地に縁のお稲荷さんなのですか?」
「いえ、そういうわけではないです」
「各電力所でお祀りされているのですか?」
「はい」

でんぱつ様のダムサイトに建てられる電源神社のご神体が
フランシスかペルトン水車なんじゃないかといつも気なるのと同じく
こちらのお社でもご神体が何か電気にゆかりのある物の形ではないかと
妄想が止まらない。

でもお稲荷様なんだ〜。
気になる〜。


帰り道、特定外来生物のオオカワヂシャが勢力を広げる
用水路の横をてくてく歩きながら稲荷社の事が気になって仕方がない。

三徳稲荷ってなんだろう。

◆ ◆


気になって仕方がないので
早起きしてお弁当作って調べに行くことにしました。


お稲荷さんの事なら伏見稲荷が総本山。


稲荷山に登った時に「三徳社」というお社があることはチェックしていたのです。


プチ登山再び。
ホントに大人気の伏見稲荷と稲荷山です。


ベンチがあり京都市街の南西方向が見渡せる、この四ッ辻でランチタイム。
あ、サンドイッチ、カバンの中でつぶれてた。

ゆっくりサンドイッチを食べて足を休めてここから少し下った所にある
三徳社を目指します。


見えました。
三徳社です。


お祀りされている他のお社と同じく、抱き稲の神紋の幕があります。


三徳大神がお祀りされています。

周辺をくるくるしますが謂れを書いた石碑とか説明板の類がありません。
奉納された石柱の名前などを見ると魚河岸、海産物関係の会社のものが多いようです。


お社の向かいにある休憩処を見ると
たくさんの木製の板が掲げられています。


じーっと見ると帝都や大阪など各地の魚河岸のお店からの奉納でした。

うろうろしているとこちらの休憩処の方がお話してくださいました。
昔は大きなお店の方がお参りに来られる時には
数日前から番頭さんが準備に来てあれこれ用意しておられたり
大変にぎわっていたこと。

三徳というのは衣食住のこと。

毎年、11月18日にはお焚き上げが行われるので
ご神体が開帳されることなど。

11月18日というキーワードには吃驚しました。
まさかの土木の日との合致。


休憩処の方にいろいろお聞きした後、文書で残っていないかと
伏見稲荷の社務所は敷居が高くて近づけなかったので
講務本庁というところに行ってお聞きしました。

「すいません。三徳社についてお聞きしたいのですが」
「はい」
「どういう謂れのお社なのですか」
「こちらの伏見稲荷では明治時代まで色々な方が石を置いて
名前をつけてお参りされていたんです。今はできませんけど」
「信仰される方が勝手に名前をつけて神様をお祀りしているんですか」
「色々な名前がありますがこちらのお山の神様は稲荷大神です」
「なのにいっぱい名前が…」
「はい。稲荷大神にお願いしたいことを込めてつけられた名前だと思います」
「では謂れは伏見稲荷様としてはよくわからないと」
「はい。こちらで管理しているのは一ノ峰、二ノ峰、間ノ峰、三ノ峰、
釼石、荒神峰、御膳谷奉拝所だけなのです。
他のお社の謂れなどはお祀りされた方に聞かないとはっきりしません」

なんと伏見稲荷のカオスな鳥居と石碑ワールドは
信仰する人の気持ちでどんどん拡大して
今のようなどこまでもカオスな形になったのですね。

「で、三徳社は前のお店の方にお聞きしたら衣食住の神様だとか」
「稲荷大神自体がもともとは食べ物に関わる神様ですからそれは考えられますね」


お焚き上げが行われるのが偶然土木の日だった事に吃驚したわけですが
この日が三徳社にどういう縁があって決まったのかとかは分からないまま。


その日にこちらに来たら御開帳されていてご神体も拝むことができるわけですね。
あ〜、気になる 気になる。

◆ ◆


という事で、関西電力様の奈良電力所で御祀りされていた
三徳稲荷がとてもとても気になって伏見稲荷で調べてきたわけですが
衣食住に関わる神様と聞いて納得できました。

電気がなくちゃ衣食住、どれだけ大変かということ。
衣食住を支える電気を作っているところだから
三徳稲荷社でお祀りしているのですね。

偶然目にしてとても気になったので三徳稲荷について調べたレポートでした。