令和3年2月

2021/3/1 更新

令和3年2月20日に開催された
ご自宅にいながらダムの世界へ 「感動!体感!オンラインダムツアー」
無事に終わり、落ち着いて当日のコメントやtwitterでの
ありがたいメッセージなどを読んでいて自らの不勉強を
自覚することに。

本編が終わった後に中空重力式とアーチダムについてのおまけをお話し
その中で、上椎葉ダム地点の古写真を出したのですが…


出典は日本発送電記念写真帳です。
日本発送電にお勤めだった方から頂いた本です。

このスライドがちらっと出ただけで
橋の愛好家の方は瞬時にこの橋がなんか凄い橋らしいという事を
見抜いてしまわれたのです。


いつもダムイベントでありがたいコメントをくださる磯部様のツイートです。

方杖橋って何ですか?
橋の固有名詞ですか?
椎葉村にそんな有名な橋があったんですか?
これは今でいう飛沫橋のあたりなのかすら私には見分けがつきません。
ひーん!!


とりあえず自分ではさっぱりわからないので写真再掲。


橋部分拡大。

方杖橋?木製?ラーメン?

橋、難しすぎて解らない

以前、ダムナイト9で木津川の閘門装備の取水堰堤
である相楽発電所取水堰堤を紹介した時も
スライドの写真片隅にちらりっと写っていただけの橋を
「ポニーワーレンをランガー補強しているやつ」
と、一瞬で判別されていたし…一流の橋愛好家の知識凄すぎる。

すいません。
私は橋は難しすぎてちっともわかっていませんです。

ということで磯部様に質問メールをしたら
この写真に写っているのは「木製方杖橋」ということでした。
図も頂いてお勉強できました。
ありがとうございます。

中々ダムに行けないので国会図書館をはじめ
近くの図書館で色々調べていましたら…

ほぼ一年前に数字の謎が解けなかった
とあるダムについての記事が偶然見つかりました。


企業保有の利水ダム、桜山貯水池の桜山ダムです。

非越流堤体で満々と水を湛えとても重厚な外観。

河道外の谷間に建設され、揖保川から宮田ポンプ場というところを経由して
ポンプアップで貯水していることと、そもそも、集水域が小さくて
天候の影響を受けにくく水の出入りを管路で管理しているため
洪水吐がない非越流堤体です。

建設省近畿地方建設局姫路工事事務所 著
「揖保川の流れ」1976年
に記されていた表を書き起こしたものです。

とにかく一番理解できなかった点が
堤頂が長くなって、堤高も高くなっているのに
敷幅=最大底巾が37.9mのまま変わっていないことでした。

一体元々の堤体はどんな変な形だったのかと
疑問符飛びまくりだったのです。


1961年発行の「発電水力 通号54」に『桜山ダム嵩上げ工事の検討-1-』として
詳しい記事が載っていました。

桜山ダムは昭和16年に着工されたのですが
昭和20年にWWUによる資材調達困難で工事を中止して
途中までの高さで活用されていたのでした。


戦後、貯水池の必要性が高まり元々の計画通りに
ダムを造り上げることになり、嵩上げ工事が始まったのだそうです。


ダム地点の平面図も載っていました。
今は公園の大きな滑り台のあるあたり、もともと小山のようになっていたみたいです。


この図を見て謎が全部解けました。
なるほど。
堤敷が変わらなかった理由が分かりました。
元々の計画通りに作ってあったからだったのですね。
納得。

書痴の自分にはよくわからないのですが
きちんと調べたら、きちんと学んだら変だという事が分かるはずなのに
指摘されても意見を変えずに自分の見立てだけが正しいんだと
外部からの助言を耳にしない人がいます。
そもそも一つも勉強しないひともいます。

文献や現地調査で色々調べて謎が解けるのはとても楽しいので
お勧めなのですが。
勿体ない話だな〜と思っています。