2017年末 その3


と、あっちこっちで迷惑、被害、それなりに大きかったT1721ですが
とにかく超大型台風ということで襲来前から厳戒態勢でした。


コースとしては伊勢湾目指してまっしぐらでやってきました。

恐ろしかったのは“超大型でこのコース”ということでした。

過去に近畿地方で被害甚大だった“超大型でこのコース”というと

・淀川河川整備計画のもとになったT5313
・木津川での出水、既往最大の伊勢湾台風(T5915)

これらが代表格です。嫌ーっ!! 嫌ーっ!!

ちなみに
・名張上流3ダムが初めて連携操作を決めたT0918
も、これと似たコースでした。


この距離で925hPaとか凶悪過ぎて嫌ーっ!!


しかし台風襲来当日に衆議院選挙のせいで
未だ嘗て見たことがないほどに見づらいNHKの画面がっ!!


議席も大事だけど台風情報はもっと大事だと思うのっ!!
奈良一区は接戦が凄すぎていつまでたっても当確でなかったんで
気にはなるけどそれよりも台風の方が大事。
だって大阪でも兵庫でも奈良でも被害が次々出てたのです。


TVの画面では衆議院選挙の結果のせいで文字もちゃんと見えなかったのですが
webサイトではそういうのなしで綺麗な画面が見られたのですかさずスクリーンショット。

大和川で氾濫とかT8210かっ!!

実際、今までレコードホルダーだった
T8210の時の水位を王寺水位観測所で今回超えました
既往最大だったのです。

この台風の後にR25を通ったら
道路よりずっと高い木の枝まで洪水痕跡で、どえらいことになっていました。
木はしなるので今見えているゴミが引っ掛かった高さまで
水位が上がった訳ではないとは分かりますが
とんでもない高さまで水位上昇したのは間違いない。


衆議院選挙の報道がピークを迎えたころ
近畿地方の雨もピークでした。


もう泣きそうな雨。
この頃、実家の家族から、信じられないくらい水位上昇した
近所の川の様子が写真付きでメールで送られてくるなどハラハラし通しでした。


そしてついに大和川で氾濫発生。
見たくない川防の黒色。
宇陀川の方は氾濫情報流れたけど冠水でしたし
水防活動が素晴らしかったので大きな被害でなかったのがよかったです。

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そして超大型のT1721の雨を
ごっそりと貯め込んで余裕かましていたのが
でんぱつ様の池原ダム。

今年はずっと水位低かったから…


春先に下流のウォータージェット船クルーズが運航中止になったりしたし
程よく雨を期待していたので一気に回復がとっても嬉しい♪

でも池原らしいなと思ったのはこれでした。
和歌山県の河川情報の方でハイドログラフを追いかけていたら


最初は流入量と放流量の目盛の最大値が1000m3/sなんですね。

一日経つと3000m3/sになるあたりが池原。
年間降雨量日本一の大台ケ原のそばにある池原ですから。

流入量/放流量の目盛変えて3倍にしたのに、はみ出てるし。

グラフの目盛、こんなに大きく変わるあたりがなんとも池原らしい。
◆ ◆


そして池原の上流の坂本ダムはゲートレスクレストなので♪

放流量0で延々とピークまで引っ張って22日の21:00頃から急激に放流が始まりました。
クレスト越流部に水位が到達したんですね。

そしてぐぐぐーーーっと放流量が増えて流入量と重なったところが最大放流量です。
このあとは自然に流れ出し水位がゆっくり下がっていきます。
ゲートレスだから♪
たくさんお水溜まって嬉しい♪
幸せ水位嬉しい♪

◆ ◆


そしてダムアワード2017でも紹介した関西電力様の殿山ダムのハイドログラフ。

池原のような何億tもの貯水容量はありません。
でも殿山には国内のどのアーチダムにもない6門のオリフィスという最強装備があるのです。
改造工事が行われて微小開度でコントロールできるようになったオリフィス6門。

クレストしか持たないダムが欲してやまない装備を生まれながらに備えていた殿山の完璧な放流操作です。

流域の人のために
一類のダムとしてすべき操作を
そしてエネルギーを生み出す会社としての責任を果たすための水位回復の美しさ
見ていて泣けるほど美しいグラフです。

賞は逃しましたがこの感動をお伝えする機会をもらえてとても嬉しかったです。

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ということで年の初めに三途の川までキャンプしに行きましたが
運よく常人離れした回復で社会復帰した2017年。

ダムアワードにも出演して無事に年の瀬を迎えることができました。
健康第一で来年も頑張ろうと思います。