水資源機構 関西支社 見学 3


一番奥の部屋です。
秘密基地の中枢です。
ここで司令官が指示を出す・・・という訳ではないですが。

ダムの管理所的な空間が大阪の市街地のビルの中にある違和感にちょっとわくわく。


ダムのある場所のお天気がすぐわかるようになっています。
早明浦の上に雨域は遠い。


四国に雨降ってください。
九州の雨を分けてください。
ここに逆さテルテル坊主を吊り下げたい。


これは日吉ダムでも見たとても軽い特殊な素材でできた立体地形図。
磁石で壁に留めてあるのでわかると思うんですが
ぴらぴらのうすーい物なんです。
でも完璧に地形が再現されているという優れ物♪


と、駆け足で社内各所を見た後に
蔵書のあるスペースに移動しました。

ここで文献を色々見せていただきながら質問しまくる。

Q1 阿木川ダムのフラップゲートについて

「以前、阿木川ダムに見学に行った折にフラップゲートに凄い怖いぎざぎざを見たんです」
「ぎざぎざ・・・ですか」
「スポイラーかと思ったんですがちゃんと別に大きなスポイラーはついていたんです」
「ちょっと待ってくださいね」


と、気になっていた阿木川ダムのフラップゲートの事をお聞きしました。
このぎざぎざ怖いんです。

機構の方が阿木川ダム工事誌を調べてくださいました。

「これもスポイラーですね。低周波を抑制するためにつけられたもので“乱流スポイラー”というものです」
「そうだったんですか〜」

Q2 傾斜コアフィルダムについて

「この夏にMM2008で真名川ダムでダムマニアブースをやったんですが
ダムの型式を紹介するときにセンターコアフィルと傾斜コアフィルを調べていて
傾斜コアフィルはロックフィル黎明期のダムに数例あるだけで
その後、殆どがセンターコアフィルになっているらしいと聞きました。
御母衣と九頭竜と岩屋とか・・。
でも今、香川県で試験湛水中のアースダムが傾斜コアだと知りました。
傾斜コアフィルとセンターコアフィルはどういう点で選ばれるんでしょうか」

何を聞いているのかというとロックフィルダムの遮水壁の位置です


これは九頭竜ダムの断面図。
赤色にしているところが遮水壁。
これが傾斜しているダムは本当に少ないのです。


これは手取川ダムの断面図。
万中の赤色にしているところが遮水壁。
センターコア型とか中央遮水壁型とか色々呼ばれます。
最近のロックフィルは殆どがこれ。

「ゾーン型フィルダムについてですね。
まず中央コア型の特性は
@基礎地盤と遮水ゾーンの接触面に最大荷重がかかっており、浸透破壊に対する安全性が高い。
A両岸のアバットが急傾斜の場合、傾斜コア型に比べ、遮水ゾーンの基礎の施工が容易であり、また沈下に対して順応性が高い。
という点が挙げられます。

これに対して傾斜コア型ですが
@下流側の透水ゾーンを先行して盛り立てができる。
Aブランケットを施工する場合、ブランケットと遮水ゾーンとの取付が容易である。
B上流側の透水ゾーンが薄いので、上流のり面のすべりに対する安定性について注意が必要である。(中央コア型と同等の安定性を保つためには、上流のり面の勾配を緩くする必要がある。)

以上の特質の結果、傾斜コア型は1970年代以降あまり採用されなくなっていますが、両タイプの特徴を併せ持つ『緩い傾斜コア型』が希に採用されますね」


と、案内をしてくださった方のお昼休みを全部潰してしまったことに気づいたのはもうお昼過ぎでした。

いろんなお話や質問をさせていただき、ダムをたくさん見てきても
見ているだけで本質をまだまだわかっていない自分に気づきました。

これでマニアを名乗ろうとは片腹痛いと言われそうなアホな自分。

やっぱり専門家の方からしっかり説明を頂くと疑問が氷解することってたくさんあるんだと思います。

なのでダムに興味を持ち始めたばかりの方に
私と同じような疑問を持った方に
その疑問にお答えできるようなちゃんとしたレポートを書かないといけないな〜
と、反省することしきりでした。

突然の訪問にもかかわらず丁寧な説明を下さった関西支社の方にお礼を申し上げます。
ありがとうございました♪

 


閲覧した資料の一つ
ダム水源地環境整備センター発行のこの冊子
ダムの周辺の観光情報とダム湖利用実態の資料集的な作り
こういうのいいですよね

ダムめぐりのためのガイドブック


しかし
中には地団駄踏みたくなるような写真も



これ、フランスのロスランダムの一部です

なんとアーチ+バットレス

日本のダムの概念は全く通用しない海外ダム事情

うぎーーーーーーーーーー
世界のダムが見たくなるーー
あああああああ
フーバー見たい
モーボアソン見たい
ダニエルジョンソン見たい