雲仙普賢岳 無人化施工遠隔操作室 その1
2026/4/1 更新

大野木場監視所の次にご案内頂いたのは無人化施工の最前線。
実際に建機を操作しているオペレーターの方がいらっしゃる遠隔操作室です。

「令和7年度赤松谷堰堤群補修その他工事」の現場です。

工事現場にある許可標識類の掲示板の目立つところにあったのがこれです。
作業中止基準
砂防指定地内のすべての作業は
土石流と溶岩ドームの崩壊の中止基準が厳しく設けられているのです。
土石流は
・大雨洪水警報が発令された場合
・大野木場監視所の雨量計で20mm/h以上の降雨があった場合
・大雨警報が発令されかつ、大野木場監視所の雨量計で24時間雨量が150mmに達した場合
砂防指定地内のすべての作業が中止になります。
☆土石流の発生が確認された場合
は、即時避難することになっています。
溶岩ドームの崩壊は
・震度2以下の有感地震があった場合
に砂防指定地内のすべての作業が中止になります。
☆震度3以上の有感地震があった場合
☆山体監視において暫定基準値を超える以上が確認された場合
☆山体監視において溶岩ドームの崩壊を確認した場合
は、即時避難することになっています。

現場の航空写真です。今いるのは黄色の〇印のところです。
避難場所は土石流や雪崩非難の基本と同じで横に逃げることです。
間違っても下流側に逃げてはいけません。
心配しすぎだと思われても避難行動を徹底しないといけないのが砂防の最前線です。
100km/hで迫ってくる土砂の流れが視認できる距離に来てから逃げられるわけがない。
そして、大規模火砕流が発生したら更に厳しい事になります。
心配しすぎという事はないのです。

無人化施工のオペレーターの方のお仕事場です。
大野木場みらい館で展示されていた当時の機器に比べると
モニターもスマートになって高画質高精細カメラ映像はめちゃくちゃ綺麗です。

現在実施されているのは砂防堰堤内の除石作業です。
不透過型砂防堰堤は満砂になってからがお仕事の本領発揮。
でも堰堤自体を埋めるくらいもりもりに土砂が押し寄せると
土砂の補足、扞止効果が低減しますので堰堤が補足した土砂を
次に発生する土石流に備えて取り除いておく必要があるのです。
取り除いた土砂は雲仙周辺で土石流に襲われた地区の嵩上げなどに
活用されてきました。

立入禁止区域ぎりぎりまで安全装備の上、近づかせていただくことが出来ました。

この先は人の立ち入りが禁止されています。
この先は無人建機だけ。

ちょっと高い処から現場を見せて頂きました。
奥で山頂に雲がかかっているのが普賢岳です。

カメラのズームで床固工を観察します。
RCCで作られた線がはっきり見えています。

型枠で斜めになった部分が積み重なっているところも見えました。
日本で美しいコンクリートの表面仕上げをしたダムや砂防堰堤を見慣れていると
このざらざらでガタガタの堰堤はとても痛んでいるように見えてしまうかもしれません。
海外のRCCで作られたダムを知るとこれが全然問題ない感じるかと思います。
海外では監査廊から水が漏れていても堤体の安全性に問題がなく
必要な貯水位が保たれていればOKというダムだってあるので。
この無人化施工で作られた床固工や砂防堰堤のざらざらの表面は
30年前、一日も早く、この地に安全と安心を取り戻すために
国内の土木エンジニアの英知を集結した証なので、むしろ誇るべき外観です。