馬ヶ城ダム 見学 その1

2009/1/29 更新

瀬戸市の蛇ヶ洞砂防ダムについてお聞きしようと
蛇ヶ洞浄水場にお邪魔した折、職員の方から思いがけないお話をいただきました。

「馬ヶ城ダムの方もご覧になりますか?」

馬ヶ城ダム!!

土木写真家の西山芳一先生が“ダム風土記”で紹介されていた名堤体です。

小さな堤体ですが越流時に素晴らしく美しい水紋を描きだすという馬ヶ城ダム。

「ええええっ! う、うま、馬ヶ城ダムっ!」 ←物凄く動揺している
「今日はひとり(馬ヶ城浄水場に職員が)行っていますから見られますよ」
「い、いいんですか(おろおろ)」
「場所・・解りますか?」
「え、え・・っと。いや、あの、馬ヶ城ダムは無理だろうと思ってて
地図もちゃんと持ってきてなくて。
あ、でも見せていただけるなら是非見たいです。
あ、えーと、R248をこのまま下って行ったらいいんですよね。
看板とか出てますか」

もう動揺しまくり。
あわあわおろおろ。
こういうサプライズでパニックに陥りやすい。

「看板は出てないんですよ」
「行くの難しいですか」

職員の方、道順を説明しようかとしばし考え込み
奈良から来たのでは土地勘ないだろうと判断されたようです。

「今からダムと“馬”の方に案内してきます」

と、私がおたおたしている間にてきぱき。
現地まで車で先導してくださることになりました。

なんというダムの神様にウインク頂戴しまくりの日でしょう!
まさかまさかの馬ヶ城ダム見学ができることになりました。


馬ヶ城ダムへは車で移動すれば蛇ヶ洞砂防ダムから約6km。
15分もあれば着くからと職員の方が連れて来てくださった馬ヶ城水源地入口。


ハッキリ言いまして曲がるポイントが難しすぎます。
これはこの道を知っている人間でないとたどり着けないぞ、という印象を受けました。
徒歩でこのあたりを知っている人でないとあの交差点を曲がるという発想すら起きないぞ
というくらい難しい曲がり角でした。
案内して頂かなかったら絶対辿り着けなかったと思います。

ナビがあったらこんな凄い細かい道路でも道を示してくれるのかなぁと思い。
ポケットナビが大変欲しくなりました。


馬ヶ城ダムのある馬ヶ城浄水場のイラスト地図です。
左上に書いてあるようになんとなんとここは1933年に運転を開始した大変歴史のある水源地です。


水源はここから離れた三国山の赤津川と、猿投山の山路川がメインになります。
導水路を介して給水しているそうです。
敷地内の馬ヶ城ダムは補助水源なのだそうです。

浄水場で頂いたパンフレットにはとても魅力的な西谷貯水池取水堰堤と本谷取水口の写真がありました。
素敵ですね〜♪と、にへにへしていたら
この二つの取水堰堤は東京大学の保有する演習林の敷地内にあり
見るのはとても難しいとお聞きしました。
どのくらい凄い場所なのかは東京大学愛知演習林愛知演習林への行き方のページをご覧ください。


水源地管理事務所がこんなに素敵なんです♪
まずこれに目が行きました。

斜面のつつじボールと建物の水色が
三重県の片田ダムを想像させます。
凄く可愛らしい。


敷地は庭園になってます。
水路が張り巡らされ、お手入れが行き届いたこの空間。
これは凄い。
ダム風土記で「箱庭の中にあるような」と表現されていた馬ヶ城ダムですが
それはこういう事だったのですね。

馬ヶ城浄水場庭園♪

堤体だけでなく、全体の空間コーディネイトが素晴らしいです。
お天気が雨で冬なのでそれが残念。
桜の頃、新緑の頃、紅葉の頃
四季折々美しいこと間違いなし。


で、この水路ですが。
馬ヶ城ダムの洪水吐水路でもあります。
越流していたらこの水路にさらさらお水。
考えただけでもくらくら来るほど魅力的。


堤体の見える方に進みます。
木々の間に見えてまいりました。
馬ヶ城ダムです。